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園田寿

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甲南大学名誉教授、弁護士

報告

補足すでに書いたことですが、両親の死因について決定的な疑問があります。すなわち、(報道によれば)両親の死因は向精神薬による中毒死ということですが、医療の専門家の話では、報道されている事実内容では死亡することはほぼ不可能だということです。つまり、検察が主張する中毒死は、法廷において科学的に反証される可能性が高い。他方、(これも報道によれば)窒息死の兆候も見られなかったということですから、結局、両親の死因は不明だったということになります。 つまり自殺という行為があったと仮定しても、それと死亡との因果関係が不明だということで、両親の自殺は法的には「未遂」として扱われるべきだということです(念のためにいえば、もちろん自殺も自殺未遂も犯罪ではありません)。 だとすると、猿之助被告の犯罪は、自殺幇助罪(刑法202条)ではなく、自殺幇助罪の未遂(刑法203条)ということになるのではないでしょうか。

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コメンテータープロフィール

園田寿

甲南大学名誉教授、弁護士

1952年生まれ。甲南大学名誉教授、弁護士、元甲南大学法科大学院教授、元関西大学法学部教授。専門は刑事法。ネットワーク犯罪、児童ポルノ規制、薬物規制などを研究。主著に『情報社会と刑法』(2011年成文堂、単著)、『改正児童ポルノ禁止法を考える』(2014年日本評論社、共編著)、『エロスと「わいせつ」のあいだ』(2016年朝日新書、共著)など。Yahoo!ニュース個人「10周年オーサースピリット賞」受賞。趣味は、囲碁とジャズ。(note → https://note.com/sonodahisashi) 【座右の銘】法学は、物言わぬテミス(正義の女神)に言葉を与ふる作業なり。

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