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松谷創一郎

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ジャーナリスト

報告

見解韓国芸能会は日本よりも問題が多いと見なされることもありますが、簡単にそうは言えません。ポイントは3つあります。 1:エンタテインメントが国の基幹産業であり、社会における重要度が高いと認識されている。国家人権委員会や芸能界に対する法整備もあり、声を届けやすい環境にある。 2:芸能界だけでなく社会的に個々人が自分の権利を求めて声をあげることが珍しくない。 3:ファンや社会もそうした声にちゃんと耳を傾け、それがネガティヴなものと認識されにくい。 要は、唯々諾々と権力者に屈することが良しとされる文化がないわけです。これは市民運動によって民主化を成し遂げた韓国の歴史にも根ざしますが、むしろ日本のように声をあげるひとが少なく、あげたとしても誹謗中傷される国のほうが先進国では少数派です。 以上を踏まえると、法整備や国家人権組織がない日本の芸能界では多くの泣き寝入りがあると想像した方が良いでしょう。

コメンテータープロフィール

まつたにそういちろう/1974年生まれ、広島市出身。専門は文化社会学、社会情報学。映画、音楽、テレビ、ファッション、スポーツ、社会現象、ネットなど、文化やメディアについて執筆。著書に『ギャルと不思議ちゃん論:女の子たちの三十年戦争』(2012年)、『SMAPはなぜ解散したのか』(2017年)、共著に『ポスト〈カワイイ〉の文化社会学』(2017年)、『文化社会学の視座』(2008年)、『どこか〈問題化〉される若者たち』(2008年)など。現在、NHKラジオ第1『Nらじ』にレギュラー出演中。中央大学大学院文学研究科社会情報学専攻博士後期課程単位取得退学。 trickflesh@gmail.com

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