見解学力も興味・関心もさまざまな子たちがいるなか、全員が同じのドリルや問題集をやる必要性は低いと思います。OECDのPISA調査でも、日本の15歳の学力は世界トップクラスであるものの、自律的に学ぶ姿勢は弱いことが示唆されています。個に応じた自律的な学習を促そうとすることは、賛成です。ただし、手放しでは喜べません。子どもが自ら課題を設定して自学自習するという理念はよいものですが、そうはできない子ももちろんいます。大人でも、オンライン学習コンテンツがたくさんあるからといって、自学を続けるのは、そうとう難しくないですか?小中学生に対して、先生からのアドバイスやフィードバックも、とても重要ですから、放任・放置は問題です。つまり、宿題を出せばよいものでもありませんが、なくせばよいというわけでもありません。家庭の教育力(or経済力)による格差が広がることも注意していく必要があります。
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コメンテータープロフィール
徳島県出身。野村総合研究所を経て2016年から独立し、全国各地で学校、教育委員会向けの研修・講演、コンサルティングなどを手がけている。5人の子育て中。学校業務改善アドバイザー(文科省等より委嘱)、中央教育審議会「学校における働き方改革特別部会」委員、スポーツ庁、文化庁の部活動ガイドライン作成検討会議委員、文科省・校務の情報化の在り方に関する専門家会議委員等を歴任。主な著書に『変わる学校、変わらない学校』、『教師崩壊』、『教師と学校の失敗学:なぜ変化に対応できないのか』、『こうすれば、学校は変わる!「忙しいのは当たり前」への挑戦』、『学校をおもしろくする思考法』等。コンタクト、お気軽にどうぞ。