「日産はパニック状態」、ゴーン氏がホンダとの交渉について発言
(ブルームバーグ): 日産自動車のカルロス・ゴーン元会長は、ホンダと統合交渉について、日産が「パニック状態に陥っている」と述べた。
日本で会社法違反などで起訴され保釈中に逃亡したゴーン氏は20日、ブルームバーグテレビジョンの番組で「これはやけくそな動きだ。率直に言って、両社のシナジー効果を見いだすのは難しいので、現実的な取引ではない」と語った。
ホンダは今週、日産との合併、資本提携、持株会社設立など、いくつかの選択肢を検討していることを認めた。
台湾に拠点を置く鴻海精密工業(フォックスコン)は日産への関心を保留していると、ブルームバーグ・ニュースが20日先に報じた。日産とホンダの交渉が妥結に向けて進展するか見極める考えだという。
ゴーン氏は、日産とホンダは同じ市場で、類似したブランドと製品を展開していると指摘。2社が統合することのメリットに疑問を投げかけた。同氏は、日本の経済産業省がホンダに統合を持ちかけるよう働きかけたとみている。
「彼らは日産の短期的な問題とホンダの長期的なビジョンを融合させる方法を模索している」とゴーン氏は述べた。両社の統合には「産業上の論理はない」が、「業績と支配のどちらかを選ばなければならない瞬間がある」と語った。
ゴーン氏(70)は、5年前の今月に日本からレバノンへ脱出した後、今もベイルートに居住している。
日産とゴーン氏は今も係争中。ゴーン氏の逃亡後、日産は損害賠償を求める民事訴訟を起こし、ゴーン氏は名誉棄損(きそん)で日産を訴えた。
ゴーン氏は20日、電気自動車(EV)市場への参入を目指して長年取り組んでいるフォックスコンが、自動車会社を買収することに関心を持つ理由は理解できると述べた。
「非常に真剣かつ現実的な経営陣が率いているフォックスコンのような企業が『自分たちでEVを開発するために投資するのではなく、自動車会社を買収しよう』と考えるのは理解できる」と述べ、「そのようなことを試みるのはフォックスコンだけではないだろう」と付け加えた。