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佐藤丙午

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拓殖大学国際学部教授/海外事情研究所所長

報告

見解岸田首相は中庸を理解できる政治家との印象がある。広島の選挙区出身の政治家として核兵器問題に向かい合う宿命を背負わせられながら、常に現実的な解決策を模索してきたように思う。 被曝体験者の問題は、政治的な駆け引きと人道的な配慮の間で、解決策が見つけられなかった問題である。これまで政府は法的解決に委ねてきた側面があるが、岸田首相が被曝体験者等との面談の際に見せた対応は、正直にいって「見事」、と思えた。 後継の首相がどのように対応するかは不明であるが、取り沙汰される候補者の多くが核兵器に関わる問題において、日本社会に存在する「負の感情」に対する理解があるかどうかわからない状況で、岸田首相が示した解決の道筋は、たとえそれが検討で終わったとしても、一定の評価をすべきことであると考える。 岸田首相が達成してきた現実主義的な成果と合わせて考えると、向けられる批判の妥当性を検証する必要があると感じる。

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  • 白鳥浩

    法政大学大学院教授/現代政治分析

    解説岸田首相が「総裁選に不出馬」、すなわち「早期の辞任」を表明したということはこのように多くの政策が道半…続きを読む

コメンテータープロフィール

佐藤丙午

拓殖大学国際学部教授/海外事情研究所所長

岡山県出身。一橋大学大学院修了(博士・法学)。防衛庁防衛研究所主任研究官(アメリカ研究担当)より拓殖大学海外事情研究所教授。専門は、国際関係論、安全保障、アメリカ政治、日米関係、軍備管理軍縮、防衛産業、安全保障貿易管理等。経済産業省産業構造審議会貿易経済協力分科会安全保障貿易管理小委員会委員、外務省核不拡散・核軍縮に関する有識者懇談会委員、防衛省防衛装備・技術移転に係る諸課題に関する検討会委員、日本原子力研究開発機構核不拡散科学技術フォーラム委員等を経験する。特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の自律型致死兵器システム(LAWS)国連専門家会合パネルに日本代表団として参加。

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