補足大統領選挙終盤に入り、ハリス副大統領がはじめてメディアのインタビューに応じたことが話題になっている。実はハリス副大統領は民主党大統領候補になって以降、個別のインタビューには応じていない。 その理由は、自身をバイデン政権と距離を置くための戦術とみる見方や、バイデン政権の失策を「現職」候補として批判されないための方策、あるいは、これまで指摘されてきたように、政策が理解できないので、政策論議を避けるため、など指摘されてきた。 いずれにせよ、トランプ元大統領が政策の説明にも時間をとっているのに対し、ハリス副大統領の選挙戦術では、トランプの人格批判が中心で、政策論議は徹底的に避けている。このような戦術では、双方の支持者間に分断と憎悪が深まっていくことになり、選挙結果は受け入れられないとする人々が増えることも避けられない。 民主主義における政策論議の重要性を、改めて認識させられる。
コメンテータープロフィール
岡山県出身。一橋大学大学院修了(博士・法学)。防衛庁防衛研究所主任研究官(アメリカ研究担当)より拓殖大学海外事情研究所教授。専門は、国際関係論、安全保障、アメリカ政治、日米関係、軍備管理軍縮、防衛産業、安全保障貿易管理等。経済産業省産業構造審議会貿易経済協力分科会安全保障貿易管理小委員会委員、外務省核不拡散・核軍縮に関する有識者懇談会委員、防衛省防衛装備・技術移転に係る諸課題に関する検討会委員、日本原子力研究開発機構核不拡散科学技術フォーラム委員等を経験する。特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の自律型致死兵器システム(LAWS)国連専門家会合パネルに日本代表団として参加。
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