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佐藤丙午

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拓殖大学国際学部教授/海外事情研究所所長

報告

補足特攻攻撃が必要とされた軍事的な状況を考えると、「武器弾薬の不足(したがって機体を武器弾薬として使用する方法が選択された)」、「精密攻撃能力の欠如(兵器の誘導能力がない状態では、最終攻撃の段階で人間の関与や操作が不可欠になる)」、「守勢作戦を行う状況(戦闘の場所や方法を自ら選択する方法がなく、武器弾薬や戦力の集中が困難)」などがあるように感じる。 同時に、特攻作戦というか、自爆作戦は、攻撃方法を採用した直後は成果を上げる可能性があるのかもしれないが、相手が警戒し、対応方法を採用するようになると、戦果を挙げることは不可能になる。現実に、特攻作戦は途中から兵士の生命を消耗するだけになった。 このため、相手を驚かすために新たな「特攻作戦」を継続的に考案する必要が生まれ、人命の重要性を考慮せず、作戦継続だけが自己目的になってしまう。それが海田氏が指摘する「狂気」の本質なのではと感じる。

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コメンテータープロフィール

佐藤丙午

拓殖大学国際学部教授/海外事情研究所所長

岡山県出身。一橋大学大学院修了(博士・法学)。防衛庁防衛研究所主任研究官(アメリカ研究担当)より拓殖大学海外事情研究所教授。専門は、国際関係論、安全保障、アメリカ政治、日米関係、軍備管理軍縮、防衛産業、安全保障貿易管理等。経済産業省産業構造審議会貿易経済協力分科会安全保障貿易管理小委員会委員、外務省核不拡散・核軍縮に関する有識者懇談会委員、防衛省防衛装備・技術移転に係る諸課題に関する検討会委員、日本原子力研究開発機構核不拡散科学技術フォーラム委員等を経験する。特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の自律型致死兵器システム(LAWS)国連専門家会合パネルに日本代表団として参加。

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