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佐藤丙午

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拓殖大学国際学部教授/海外事情研究所所長

報告

提言石破首相の施政方針演説や、その後の記者会見やメディア出演に際しての「アジア版NATO」や「核シェアリング」に関する発言を見ていると、ハドソン研究所から発表した外交・安全保障構想を、具体的な政策目標としてどれだけ現実的なものと捉えていたのか、少々当惑を覚える。 もちろん過去の発言などにおいて、これら構想に関する問題提起をしていたことは印象にある。今は、そこに到達するための政策手段の探究や、これら構想を実現するために米国や周辺諸国との対話について、「党内野党」時代に実施してきた試みや、その際に得た知見などを、石破首相には今こそフランクに語ってほしいと希望する。 民主党の失敗は、非現実的な政策を打ち出した事もあるが、その背景に鳩山や菅政権などの政権担当者が、自分の希望だけを語っていたことがある。政権を担ったことで、外交安全保障の現実は、「書生論」が通用しない世界であることを学んだと信じたい。

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コメンテータープロフィール

佐藤丙午

拓殖大学国際学部教授/海外事情研究所所長

岡山県出身。一橋大学大学院修了(博士・法学)。防衛庁防衛研究所主任研究官(アメリカ研究担当)より拓殖大学海外事情研究所教授。専門は、国際関係論、安全保障、アメリカ政治、日米関係、軍備管理軍縮、防衛産業、安全保障貿易管理等。経済産業省産業構造審議会貿易経済協力分科会安全保障貿易管理小委員会委員、外務省核不拡散・核軍縮に関する有識者懇談会委員、防衛省防衛装備・技術移転に係る諸課題に関する検討会委員、日本原子力研究開発機構核不拡散科学技術フォーラム委員等を経験する。特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の自律型致死兵器システム(LAWS)国連専門家会合パネルに日本代表団として参加。

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