見解佐藤さんの言葉には、本当に胸が痛みます。 熱中症の対策は、ずっと以前からわかっていて、暑いときに活動してはならないということ。ところが、野球をはじめ学校の部活動は、そのもっとも活動してはならない時期に、活動のピークをもってきます。8月に全国大会、その前にブロック・地方大会、練習試合と、熱中症のおそれが高まるタイミングで、活動も盛り上がっていきます。熱中症で生徒が倒れることを所与の条件として、大会が成り立っているかのように見えます。 改めて、大会を別の時期に移せないものでしょうか。 いま部活動は、教員の負担の側面から、地域移行すなわち学校から切り離されようとしています。これくらいに大胆な改革が必要だと思います。 中京大学の松本孝朗教授の研究成果、愛知県高校野球連盟への取材など、夏の高校野球の問題を深くまで掘り下げた、意義のある記事だと感じました。
コメンテータープロフィール
学校リスク(校則、スポーツ傷害、組み体操事故、体罰、自殺、2分の1成人式、教員の部活動負担・長時間労働など)の事例やデータを収集し、隠れた実態を明らかにすべく、研究をおこなっています。また啓発活動として、教員研修等の場において直接に情報を提供しています。専門は教育社会学。博士(教育学)。ヤフーオーサーアワード2015受賞。消費者庁消費者安全調査委員会専門委員。著書に『ブラック部活動』(東洋館出版社)、『教育という病』(光文社新書)、『学校ハラスメント』(朝日新聞出版)など。■依頼等のご連絡はこちら:dada(at)dadala.net