補足合衆国憲法は修正第8条で「残酷で異常な刑罰」の禁止を規定しています。大半の政権はこれを死刑を禁止するものと判断して死刑の執行をしない方針を示していましたが、トランプは例外的に死刑執行に積極的な立場をとっています。バイデン政権が連邦の死刑囚40人中37人を減刑したのは、死刑に反対する人々がトランプの立場に対する懸念を表明しているのを受けてのことだろうと思われます。 なお、合衆国憲法修正第8条の規定は連邦政府にのみ適用され、州政府には適用されないというのが連邦最高裁判所の判断です。米国では死刑の有無は州政府に判断が委ねられている状態です。大半の州では死刑の実施は禁止あるいは中断されていますが、一部積極的な州もあり、例えばテキサス州は単独で、他の州での執行数の合計よりも多くの死刑を執行しています。
コメンテータープロフィール
専門はアメリカ政治。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。主要著書に、『アメリカ大統領とは何か:最高権力者の本当の姿』(平凡社新書、2024年)、『混迷のアメリカを読み解く10の論点』(共著、慶應義塾大学出版会、2024年)、『〈犯罪大国アメリカ〉のいま:分断する社会と銃・薬物・移民』(弘文堂、2021年)、『格差と分断のアメリカ』(東京堂出版、2020年)、『アメリカ政治入門』(東京大学出版会、2018年)、『アメリカ政治講義』(ちくま新書、2018年)、『移民大国アメリカ』(ちくま新書、2016年)、『アメリカ型福祉国家と都市政治』(東京大学出版会、2008年)など。
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