Yahoo!ニュース

六辻彰二

六辻彰二認証済み

認証済み

国際政治学者

報告

見解緊急人道支援そのものは必要だが、残念ながら日本のものは遅くて少ない。 例えばEUはレバノン地上侵攻が始まった2日後の10月3日、30万ユーロの支援を決定し、米国も翌日1億5700万ドルの拠出を約束した。周辺のサウジアラビアやトルコは、地上侵攻が始まる前からレバノン向け人道支援を増やしていた。 つまり日本の反応はないよりマシというくらいというと言い過ぎかもしれないが、基本的には外交的なやってますアピールに近い。 今回の1000万ドルという金額は昨年、イスラエルによる侵攻が始まって約2週間後に、日本政府がガザに提供した緊急人道支援と同じで、戦闘が本格化してから援助決定までのタイミングもほぼ同じくらいだ。 一方、日本政府は昨年1年でウクライナ向け支援を793億ドル提供した。 多くの日本人にとって中東は縁遠いが、人道問題はもちろんエネルギー供給やスエズ運河付近の物流を含め、実際には無関係ではない。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 門倉貴史

    エコノミスト/経済評論家

    見解日本の国連の分担金額は年間約2.5億ドル(375億円)で米国、中国に次ぐ大きな規模となっている。  …続きを読む

  • 髙岡豊

    髙岡豊認証済み

    認証済み

    中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

    見解この局面でレバノンに支援の手を差し伸べるのは、国際場裏での振る舞いとして大ファインプレーです。イスラ…続きを読む

コメンテータープロフィール

博士(国際関係)。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学などで教鞭をとる。アフリカをメインフィールドに、国際情勢を幅広く調査・研究中。最新刊に『終わりなき戦争紛争の100年史』(さくら舎)。その他、『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)、『世界の独裁者』(幻冬社)、『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、『日本の「水」が危ない』(ベストセラーズ)など。

六辻彰二の最近のコメント