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六辻彰二

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国際政治学者

報告

解説これがPKKによる犯行だとすると、トルコ政府に対する報復の可能性が高い。 PKKはトルコからの分離独立を求めるクルド人の組織で、周辺のイラク、シリア、イランなどのクルド人組織とも連携している。 トルコはこれまでイラクやシリアのPKK系組織の拠点もしばしば攻撃していて、今年初旬には29箇所を一斉に空爆する大規模な作戦を行った。 今回のテロ事件を受け、トルコは即日イラク北部やシリア北部を空爆し、抱負の連鎖が続いている。 トルコとクルド人の争いはNATOにとっても無縁ではない。 トルコはNATO加盟国で、アメリカをはじめ多くの先進国はPKKをテロ組織に指定している。 その一方でアメリカは2011年からのシリア内戦でシリアのクルド組織を支援し、トルコの強い反発を招いた。 それもあって先進各国は、多くの民間人の死傷者を出すこの衝突にほぼノータッチで、目立たないまま報復の連鎖がエスカレートしている。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 鈴木一人

    東京大学教授/地経学研究所長

    解説トルコのPKKとエルドアン政権の永久的に続く対立は、こうしたテロを過去にも起こしているが、なぜTUS…続きを読む

  • 髙岡豊

    中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

    解説トルコ政府は、何年も前からイラク北部に侵攻しそこでPKKの相当と称する軍事作戦を行っています。航空機…続きを読む

コメンテータープロフィール

博士(国際関係)。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学などで教鞭をとる。アフリカをメインフィールドに、国際情勢を幅広く調査・研究中。最新刊に『終わりなき戦争紛争の100年史』(さくら舎)。その他、『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)、『世界の独裁者』(幻冬社)、『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、『日本の「水」が危ない』(ベストセラーズ)など。

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