見解差別の問題を考えるときは、その一場面だけでなく背景にある社会の構造を捉える必要があります。 女性限定半額やレディースデーなどは男性差別とは言えません。 現状の男女の賃金格差を見ると、女性の平均賃金が男性の約7割、共働き世帯が増えていても、多くは女性が非正規雇用です。こうした社会構造を前提に、牛角の食べ放題における女性の注文量が男性より少ないという点を考えると、女性半額のキャンペーンは男性差別にはならず、むしろ格差に対応する是正措置とも言えます。 そもそも、なくすべきはジェンダーによる賃金格差であって、それがなくなれば自ずと女性限定半額やレディスデーなどは必要なくなるでしょう。 今回の牛角のキャンペーンを男性差別だというより、ジェンダー格差をなくすほうに尽力すべきだと思います。
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コメンテータープロフィール
愛知県名古屋市生まれ。政策や法制度を中心とした性的マイノリティに関する情報を発信する一般社団法人fair代表理事。ゲイであることをオープンにしながら、GQやHuffPost、現代ビジネス等で多様なジェンダー・セクシュアリティに関する記事を執筆。教育機関や企業、自治体等での研修・講演実績多数。著書に『あいつゲイだって - アウティングはなぜ問題なのか?』(柏書房)、共著『LGBTとハラスメント』(集英社新書)など