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市川衛

市川衛

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医療の「翻訳家」

報告

補足記事中で「劇症型溶連菌は、突然変異して毒性が強くなった溶連菌」と言い切っているのは、少しミスリードだと感じざるをえません。 国立感染研や米CDCが出している資料を見ても、「溶連菌がなぜ劇症化するのかは、はっきりと分かっていない」というのが現状です。確かに特定の遺伝子変異を持つ菌がなりやすい傾向もあると言われていますが、それだけでなく、感染された人体側の免疫の状態、体内に侵入した経路など様々な要因が組み合わさって劇症化すると考えられています。 現状、分かっていないことが多いからこそ、重要なのは感染を予防することと、症状が出た時に早めに医療機関を受診することです。 手足に傷があるときは、石鹸などで手を洗ってから早めに傷口を洗浄し、包帯や絆創膏などでカバーする。高熱が出て手足が腫れる、意識障害(もうろうとする)がある場合はすぐに医療機関(救急科など)を受診することが勧められています。

コメンテータープロフィール

(いちかわ・まもる)医療の「翻訳家」/READYFOR(株)基金開発・公共政策責任者/(社)メディカルジャーナリズム勉強会代表/広島大学医学部客員准教授。00年東京大学医学部卒業後、NHK入局。医療・福祉・健康分野をメインに世界各地で取材を行う。16年スタンフォード大学客員研究員。19年Yahoo!ニュース個人オーサーアワード特別賞。21年よりREADYFOR(株)で新型コロナ対策・社会貢献活動の支援などに関わる。主な作品としてNHKスペシャル「睡眠負債が危ない」「医療ビッグデータ」(テレビ番組)、「教養としての健康情報」(書籍)など。

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