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市川衛

市川衛

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医療の「翻訳家」

報告

解説「奥歯が減った人は、認知症のリスクが高い」という相関関係はあるのだと思います。でもそれは、奥歯が減ると、「脳に特定の負担がかかるので認知症になりやすくなる」ということでは、おそらくないです。 場合によっては、「認知症になるほど全身が衰えた人は、奥歯が減りやすい」という逆の因果関係を示している可能性もあります。 奥歯がなくなると、口から栄養をとりにくくなるので、全身の健康状態が衰えやすくなることは一般的にいえることです。そして脳も全身の一部なので、栄養が減れば衰えやすくなります。そのことが、認知症という状態を生むことに関わっているのだと解釈するのが妥当かもしれません。 まとめていえば、「長く生き生きと暮らすために、歯が少しでも残るよう、歯磨きなどの口腔ケアをしていくこと」はとても大切だと思われます。

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コメンテータープロフィール

(いちかわ・まもる)医療の「翻訳家」/READYFOR(株)基金開発・公共政策責任者/(社)メディカルジャーナリズム勉強会代表/広島大学医学部客員准教授。00年東京大学医学部卒業後、NHK入局。医療・福祉・健康分野をメインに世界各地で取材を行う。16年スタンフォード大学客員研究員。19年Yahoo!ニュース個人オーサーアワード特別賞。21年よりREADYFOR(株)で新型コロナ対策・社会貢献活動の支援などに関わる。主な作品としてNHKスペシャル「睡眠負債が危ない」「医療ビッグデータ」(テレビ番組)、「教養としての健康情報」(書籍)など。

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