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前田恒彦

前田恒彦認証済み

認証済み

元特捜部主任検事

報告

解説女子生徒に対する殺人容疑での再逮捕後、検察は責任能力の有無や程度を見極めるために時期をみて鑑定留置をし、精神鑑定の結果を踏まえて一括して刑事処分を決することになるでしょう。 もっとも、精神鑑定など不要だと考える人もいるでしょう。しかし、別の報道によると、男は自宅で爆竹を鳴らしたり拡声器で騒音を出したりするといった奇行を繰り返し、住民から苦情が出ていたとのことです。 しかも、被害者や店の関係者らと何ら接点がなかったということになると、了解可能な動機が見当たらないということで、裁判段階で弁護側が責任能力を争い、起訴後に精神鑑定が実施されることになります。 もし捜査段階で精神鑑定をやっていないと、検察側としても弁護側の主張に反論する材料が乏しくなります。責任能力の有無や程度について裁判員に理解してもらいやすくするためにも、念のために精神鑑定を実施しておくというのが昨今の流れとなっています。

コメンテータープロフィール

前田恒彦

前田恒彦認定済み

元特捜部主任検事

エキスパート認定マークについて

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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