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前田恒彦

前田恒彦

認証済み

元特捜部主任検事

報告

解説ことし3月にこの男が警察から感謝状を贈呈された際、男は「日頃から特殊詐欺に関するネットニュースなどを読んで手口を知っていた」とか「おばあちゃん子なので当たり前のことをしただけです」などとコメントしていました。 しかし、そもそもその事件のときもこの男が「受け子」であり、なにかトラブルがあって自己防衛のために第三者を装って110番通報しただけではないのかとか、あるいは別の特殊詐欺グループとの縄張り争いなどから、彼らを蹴落とすために通報したのではないかといった可能性が出てきたわけで、過去の事件に遡り、組織的な背景を含めて徹底的に再捜査を尽くす必要があります。 なお、こうした特殊詐欺の場合、検察の求刑も裁判所の量刑も厳しく、たとえ末端の「受け子」であり、現役の大学生で初めて逮捕された場合でも、まず実刑になります。

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コメンテータープロフィール

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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