【詳報】「ある幹部」がキックバック要求…安倍派会計責任者が被告人質問で経緯を明らかに 東京地裁
自民党の派閥のパーティー券をめぐる事件の裁判で18日、安倍派の会計責任者の被告人質問が行われ、会計責任者は「ある幹部」からノルマ超過分のキックバックを再開するよう求められたと述べました。 【規正法改正へ】専門家は「今よりマシだが…」 政治とカネ…総力取材 OAに入らなかった分も“全て見せます” 安倍派・清和政策研究会の会計責任者の松本淳一郎被告は2022年までの5年間で、およそ6億7000万円のパーティー券収入と、ほぼ同額の支出を派閥の収支報告書に記載していなかったとして、政治資金規正法違反の罪に問われています。 18日の被告人質問では、一度中止を決定したノルマ超過分のキックバックを再開した経緯について、松本被告は「おととし7月末ごろに、ある幹部が私に『ある議員が還付してほしいと私に言ってきた』『還付してほしい』と話があった」としました。 松本被告は「ある幹部」については名前を明らかにせず、弁護人も誰かとは質問しませんでした。 その後、下村議員、西村議員、世耕議員、塩谷議員とともに集まったとした上で、「いろんな議論がありましたが、方向性として『還付』しようということになりました」と述べました。 また、キックバックを再開することが決定した後の対応については、集まった4人の幹部議員が「分担して会員に連絡した」として、「一人の幹部は『2名の議員が還付を辞退したいと(言っている)。それ以外は、還付をしてほしい』と連絡を受けました」「ほかの1名の幹部からは『ちゃんと連絡しました』と連絡がありました」と述べました。 また、残りの2人の幹部議員については、「連絡がなかったので私から聞きましたが、2名とも『連絡した』と言いました」として、4人の幹部議員が、会員への連絡を完了したのを確認してから、キックバックを再開したと述べました。 一方、弁護人から「『還付』について勝手に判断することはできるのか」と問われると、松本被告は「それは不可能です」と明言した上で、「事務局長(会計責任者)から会長に報告をして、『還付』をする、しないの判断をいただいて還付していました。独断で還付するとは一切言えません」と述べました。 最後に、今回の事件について「社会的影響は重く感じています。おわびしたいと思っています」「収支報告書が法令に違反していたことをこれまで踏襲してきたが、やめるということを考えればよかったと思います」などと述べ、謝罪の言葉を口にしました。 次回は、7月9日に検察官による被告人質問が行われます。