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前田恒彦

前田恒彦

認証済み

元特捜部主任検事

報告

解説現場周辺や沿線道路などの複数の防犯カメラを順にたどる「リレー捜査」により、犯人の特定は時間の問題でした。動機が謎でしたが、この報道のとおりであれば、男はゴルフ練習場の経営者に男の会社を潰されたと考えており、その恨みを晴らすためだったということで理解できます。 ただ、会社が潰れたのは20年以上も前の話であり、直近に経営者との間で何らかのトラブルがなかったのか、事件の経緯や状況の解明が今後の捜査の焦点となるでしょう。 また、殺意を否認しており、ガソリン入りバケツを爆発させる仕掛けや殺傷能力の有無、程度も鑑定などで客観的に確定する必要があります。男が別の場所で実験を行ったのかについても解明を要します。 なお、経営者だけを狙ったと主張していますが、こうしたケースでは誰が触るかわからないわけで、経営者以外に危害を及ぼすかもしれないがそれでも構わないという「未必の故意」が認められることでしょう。

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コメンテータープロフィール

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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