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今野晴貴

今野晴貴認証済み

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NPO法人POSSE代表。雇用・労働政策研究者。

報告

見解劣悪な労働・保育環境のために保育士が退職を続けているのに、経営者が一向にその改善をせず、派遣会社を利用して、配置基準をギリギリで満たしているという保育園は少なくない。保育士たちが頻繁に入れ替わるようでは園児との信頼関係が築きづらいばかりか、事故のリスクも上がるだろう。タイミーでは尚更だ。行政による処遇改善加算による給与引き上げは大事だが、園に支給された加算分を経営者が恣意的に配分し、職員たちの給与に反映されないという声も後を絶たない。このように政策や経営者の善意に期待できない場合に、保育園で働く人たちが経営者に対して集団的に交渉し、抗議し、保護者と連携する方法が必要だ。その方法が労働組合である。今年11月には神奈川県厚木市の私立保育園で、労働組合「介護・保育ユニオン」に加入した保育士たちがストライキし、保護者と連携して、行政や経営者に改善を求めている。今後のモデルになるのではないだろうか。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 小崎恭弘

    大阪教育大学教授/元附属小学校長/ファザーリングジャパン顧問

    解説少子化の進展により、今後ますます子どもの数は減り続けます。そのような環境の中で、保育や教育の質の向上…続きを読む

  • なかのかおり

    ジャーナリスト(福祉・医療・労働)、早稲田大研究所招聘研究員

    補足潜在保育士の活躍について取材しました。やはり、給与を上げることだそうです。命を預かっているのに、飲食…続きを読む

コメンテータープロフィール

今野晴貴

NPO法人POSSE代表。雇用・労働政策研究者。

NPO法人「POSSE」代表。年間5000件以上の労働・生活相談に関わり、労働・福祉政策について研究・提言している。近著に『賃労働の系譜学 フォーディズムからデジタル封建制へ』(青土社)。その他に『ストライキ2.0』(集英社新書)、『ブラック企業』(文春新書)、『ブラックバイト』(岩波新書)、『生活保護』(ちくま新書)など多数。流行語大賞トップ10(「ブラック企業」)、大佛次郎論壇賞、日本労働社会学会奨励賞などを受賞。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。専門社会調査士。

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