見解OECDの調査では、部活指導などの「課外活動」へ、日本以外の教員は週1.9時間しか割いていないが、日本の教員は約4倍の7.5時間もかけていることがわかっている。さらに、昨年5月に熊本市教育委員会が発表した調査では、小中学校教員の約77%が「報酬が支払われても部活動の指導はしたくない」と回答しており、お金ではなくとにかく部活による過重労働から離れたいという教員の想いが顕在化している。そのような状況下で、実際に部活顧問を外れ労働時間を大幅に短縮し、生徒への教育に集中できる環境を作った実例もある。茨城県にある東洋大牛久中高では、教員が労働組合「私学教員ユニオン」に加入し学校と話し合った結果、学内教員約100名全員の部活顧問就任が任意となっている。部活から解放され、教員の本分である授業や生徒対応の質をあげたいという方は、労働組合と共に顧問拒否を進めることを検討してみてはどうか。
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コメンテータープロフィール
NPO法人「POSSE」代表。年間5000件以上の労働・生活相談に関わり、労働・福祉政策について研究・提言している。近著に『賃労働の系譜学 フォーディズムからデジタル封建制へ』(青土社)。その他に『ストライキ2.0』(集英社新書)、『ブラック企業』(文春新書)、『ブラックバイト』(岩波新書)、『生活保護』(ちくま新書)など多数。流行語大賞トップ10(「ブラック企業」)、大佛次郎論壇賞、日本労働社会学会奨励賞などを受賞。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。専門社会調査士。