「部活の顧問を辞めたい…」交通費は"自腹" 学校の教員は"定額働かせ放題"? 実態とは【#みんなのギモン】
体力や技能の向上のほか、集団活動を通じた人間形成など、学校教育の一環として位置づけられている"部活動"。本来は、必ずしも教員が担う必要のない業務と位置付けられていますが、実際は、多くの教師によって支えられ、長時間勤務の要因になっていると問題視されています。こうしたなか、私たちの元には、「部活の顧問を辞めたい」と訴える、現役教員から声が寄せられました。いったい何がおきているのか?取材しました。(日本テレビ 調査報道班 及川 光昭 ) 【画像】入学説明資料には…「下着の色指定はセクハラ…」校則に不安抱く母親
■部活後に時間外勤務 家に持ち帰り残業
「中学の教員は人間らしい生活が送れていない人が多い。部活動で泣いている教員を救ってもらいたい」 日本テレビに情報を寄せてくれたのは、関東の公立中学校でテニス部の顧問をしているAさんです。テニス部の顧問は希望ではなかったと話します。 テニス部の顧問Aさん 「(新年度がはじまる)毎年4月1日に、自動的にどこかの部に自分の名前が入っているという状態です。『ああ、やっぱりやらなくちゃいけないんだ』という気持ちで断れないのが実態ですね」 Aさんは、"部活は教員にとって大きな負担だ"と話します。その理由は‥・ テニス部の顧問Aさん 「平日、朝の練習がある場合は、生徒たちよりも早く学校に行かなければいけませんので、午前7時すぎには学校にいます。その後、授業などがあり、夕方から再び部活があります」 この学校では、部活に立ちあわなければいけないルールがあり、授業の準備などをしたくても出来ないと話します。部活が終わるのは、午後6時頃。学校に残り、残業にとりかかるといいます。そして、午後9時頃に帰宅し、夕食や入浴を済ませた後、自宅で再び残業。翌日の授業の準備などに追われ、自分の時間はほとんどなく、残業代はでません。
■休日も休めず…午前4時半に部活のため外出
さらに、休日も。 遠方で試合がある場合、午前4時半に自宅を出て、午後8時に帰宅する日もあるといいます。 また、試合が雨天で延期した場合、翌日は大会の予備日になるため、日曜日に自分の予定をいれることもできません。週末に部活を休みにすると、保護者から、こんなことを言われたといいます。 保護者A 「土日も部活をやってくれないと強くなれない」 保護者B 「部活をやってくれないと、親が家にいないといけなくなり休めない。土日も学校で子どもを見てほしい」 さらに、「指導が悪いからうちの子が上達しない」と、Aさんの指導方法に批判的な言葉をかける保護者もいるといいます。