見解記事の効果は、拙著「日本経済の再構築」(2020年)や2年前の下記コラムで説明した通りで、2019年財政検証のデータに基づくものですが、簡単な計算で、国民年金と厚生年金を一元化(財政統合)することができれば、基礎年金部分の給付カット率は約28%から約8.3%に改善することが分かります。この改善による基礎年金の底上げ効果が約27%(=(100-8.3)÷(100-28))で、2024年財政検証の数字を利用していないため若干異なりますが、この記事の約3割に近い数字です。なお問題は、基礎年金に追加投入する2.6兆円(=消費税1%分)の財源をどう確保するかですね。 (参考)小黒(2023)『厚生年金への適用拡大の究極の姿 -国民年金と厚生年金との財政統合の効果を考える-』経済産業研究所「新春特別コラム:2023年の日本経済を読む~「新時代」はどうなる」(※ 当該コラムはネット上で全文閲覧可能です)
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コメンテータープロフィール
1974年東京生まれ。法政大学経済学部教授。97年4月大蔵省(現財務省)入省後、財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授等を経て2015年4月から現職。一橋大学博士(経済学)。専門は公共経済学。著書に『日本経済の再構築』(単著/日本経済新聞出版社)、『薬価の経済学』(共著/日本経済新聞出版社)など。