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小黒一正

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法政大学経済学部教授

報告

補足利上げしようが、しまいが、どちらもの選択も難しい局面ですね。段階的に利上げを行うとしても、現在の日本経済の状況では体力的に限界があり、その許容範囲は1%程度のような気がします。このような状況で、12月の金融政策決定会合で利上げをする判断もあり得ますが、その場合、今後、日銀が利上げできる残りの回数に制限が出てくる可能性があります。他方で、国際情勢も不確実性を増しています。例えば、トランプ大統領は関税引き上げ等を主張しており、アメリカ経済で再びインフレが加速する可能性も。その場合、FRBが利上げに追い込まれ、円安が再加速するシナリオもありますが、日銀が利上げできる余地(例:残りの回数)が少ないと、投機筋に足元を見られる恐れもあります。

コメンテータープロフィール

1974年東京生まれ。法政大学経済学部教授。97年4月大蔵省(現財務省)入省後、財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授等を経て2015年4月から現職。一橋大学博士(経済学)。専門は公共経済学。著書に『日本経済の再構築』(単著/日本経済新聞出版社)、『薬価の経済学』(共著/日本経済新聞出版社)など。

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