提言アニメやマンガの舞台を旅する「聖地巡礼」ですが、製作側が舞台地を公認している作品も少なくない一方、『ハイキュー』や『鬼滅の刃』などのように、認めていないものもあります。 こうした作品の場合、作中の部分部分のモデルとして似たものをファンの間で「特定」し、ファンが自発的に「聖地巡礼」してしまう動きもあります。 しかしこうした場合、作品の製作側は公認しているわけではないため、その動きに地域側が公的に乗っかってしまうと今回のようなトラブルになってしまいがちです。 こうした時に地域側に必要な対応は、ファンの「聖地巡礼」は尊重しつつ、作品の権利は侵害しない範囲で「おもてなし」をすることです。 作品のグッズを作って販売することは出来ませんが、ファンが自発的に楽しむ行動は地域も一緒に楽しめるようにしてあげる。そんな施策が有効だと考えます。
コメンテータープロフィール
1984年生まれ。千葉県市川市出身。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。「聖地巡礼」と呼ばれる、アニメなどメディアコンテンツを用いた地域振興事例の研究に携わる。近年は「withnews」「AERA dot.」「週刊朝日」「ITmedia」「特選街Web」「乗りものニュース」「アニメ!アニメ!」などウェブ・雑誌で執筆。共著に「コンテンツツーリズム研究」(福村出版)など。コンテンツビジネスから地域振興、アニメ・ゲームなどのポップカルチャー、IT、鉄道など幅広いテーマを扱う。