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川上泰徳

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中東ジャーナリスト

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見解イスラエルのガザ攻撃で1万6千人の子供を含む4万2千人以上が死んでいる。死者数は問題の重大性を伝えるが、この記事のように記者が足で書いた記事は数字の背後にある紛争の現実を見せてくれる。記事は当時注目されたイスラエル軍のシファ病院攻撃のその後を伝え、特に新生児室に並んでいた赤ちゃんがどうなったかという読者の関心に答える。28人の新生児がエジプトに退避し、うち10人が死亡したという記述は痛ましいが、18人が生き残り、うち9人が暮らす施設を記者が訪れ、ガザから付き添っている看護師2人の話を聞いている。外国人ジャーナリストがガザに入ることができない中、日本の各メディアは現地通信員を置いて、ガザの人々の声を伝えようとしている。ガザで「私たちは数字ではない」という運動があるが、この記事も日本人の記者・ジャーナリストが世界の現地にいることで「数字ではない」現実を日本に伝えることができるという事例である。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 錦田愛子

    慶應義塾大学法学部教授

    見解イスラエルはハマースの幹部である政治部門のハニーヤをイランで殺し、軍事部門のダーエフを殺し、ガザで最…続きを読む

コメンテータープロフィール

元朝日新聞記者。カイロ、エルサレム、バグダッドなどに駐在し、パレスチナ紛争、イラク戦争、「アラブの春」などを現地取材。中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2015年からフリーランス。フリーになってベイルートのパレスチナ難民キャンプに通って取材したパレスチナ人のヒューマンストーリーを「シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年」(岩波書店)として刊行。他に「中東の現場を歩く」(合同出版)、「『イスラム国』はテロの元凶ではない」(集英社新書)、「戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む」(彩流社)など。◇連絡先:kawakami.yasunori2016@gmail.com

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