紛争地の人道支援で死者281人 過去最悪、ガザ被害中心
【ニューヨーク共同】国連人道問題調整室(OCHA)は22日、世界中の紛争地などで活動する人道支援関係者の今年の死者が281人となり、過去最悪を記録したと発表した。これまでは昨年の280人が最多だった。昨年も今年も、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザでの死者が大半を占める。 【写真】歴史が生んだ「世紀の難問」…イスラエル、パレスチナの争いはなぜ始まった
ガザでは戦闘が始まった昨年10月以降の支援関係者の死者は、計320人以上になった。ほとんどが国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の現地職員。イスラエル軍は、UNRWAとハマスにつながりがあると主張し、ガザのUNRWA関連施設への攻撃を続けている。 ガザ以外での死者は、ロシアの侵攻が続くウクライナ、内戦が続くスーダンやアフガニスタンなど。国連や非政府組織(NGO)、赤十字・赤新月社などの現地職員が犠牲になっている。 OCHAのフレッチャー室長(事務次長)は「かつてないほど急速に命を失っている。勇気と人道性が、銃弾や爆弾によって打ち砕かれている」と述べた。 OCHAによると、世界中で昨年は約1億4400万人を支援。今年はこれまでに1億1600万人以上を支援した。