保釈条件の中には、海外渡航の禁止やパスポートを弁護士に預けることなどが入っていた。おそらくゴーン氏は、レバノン国籍を保有するため、同国政府の支援を得て何らかの形で出国したと見られる。日産関係者によると、東京拘置所にいるときから、レバノンの外交官を通じてルノーにいるゴーン派の役員に指示を出していたという。国際世論に負ける形で異例の保釈を認めた裁判所の判断基準が問われることになる。また、なぜこのような事態に陥ったのかも綿密に検証しないと、今後似たようなケースが起こるかもしれない。さらに言えば保証金15億円は妥当だったのかも検証すべきだ。ゴーン氏を含めて世界の金持ちは、隠し財産を租税回避地などに保有していると見られ、その捕捉は難しいが、そうしたことも考慮して保証金を決める必要がある。日本の裁判所は、国際的に注目される事件の被告をいとも簡単に逃亡させたことで、いい赤っ恥を晒したということだ。
コメンテータープロフィール
1964年生まれ。88年九州大卒。朝日新聞社の名古屋、東京、大阪の経済部で主に自動車と電機を担当。2004年朝日新聞社を退社。05年大阪市立大学修士課程(ベンチャー論)修了。主な著書は『トヨタ・ショック』(講談社、共編著)、『メイドインジャパン驕りの代償』(NHK出版)、『会社に頼らないで一生働き続ける技術』(プレジデント社)、『自動車会社が消える日』(文春新書)『日産vs.ゴーン 支配と暗闘の20年』(同)。最新刊に経済安全保障について世界の具体的事例や内閣国家安全保障局経済班を新設した日本政府の対応などを示した『中国の「見えない侵略」!サイバースパイが日本を破壊する』(ビジネス社)
井上久男の最近の記事
井上久男の最近のコメント
こちらの記事は掲載が終了しています
アクセスランキング
- 1
「このお椀の持ち方本当に嫌いです」 現役保育士の投稿が議論 「正直悩んでます…」の声も
Hint-Pot - 2
大谷翔平 優勝パレードに真美子夫人&デコピンも参加 沿道びっしりのファンに「壮観、圧倒されている」「感謝しています」
デイリースポーツ - 3
「あなたは脱がないの?」の質問をパレード中に受けた大谷翔平が「絶対にない」…米メディアはアクセントもバッチリの流暢な英語スピーチを「珍しい」と絶賛
RONSPO - 4
別人!?まことお兄さん 激変した姿にネット騒然「だれ?」「お顔が…」卒業から1年半でガラリ
スポーツ報知 - 5
真美子夫人は「何着ても似合う」 “新アイテム”に脚光「おしゃれでかっこいい」
Full-Count