「このお椀の持ち方本当に嫌いです」 現役保育士の投稿が議論 「正直悩んでます…」の声も
箸の持ち方、配膳の順序など、かつては一般的だった食事のマナーや礼儀も、時代とともに形骸化していくもの。正しいおわんの持ち方について問題提起を行った保育士の投稿が、ネット上で話題を呼んでいます。保育士歴12年という投稿者に、投稿に込めた意図を聞きました。 【写真】おわんの内側に人差し指が入り込んだ“わしづかみ”の持ち方 実際の投稿 ◇ ◇ ◇
「子どもがこうしてたら給食中とか声掛けますか?」とSNSで意見を募集
「正直に言います。このお椀の持ち方本当に嫌いです。友だちがやってたら『おい』って言っちゃう。でも、今ってこれが普通になってません? 俺が間違ってるのかな? って思うほど大人も子どもも多くないですか? みんなの園や周りはどうですか? 子どもがこうしてたら給食中とか声掛けますか?」 先月29日、おわんの間違った持ち方について疑問を呈した投稿には、おわんの内側に人差し指が入り込む形で、わしづかみにした持ち方の写真が添えられています。 投稿にはさまざまな反応が。「めっちゃくちゃ注意されてました!!」「昔はこれでよく怒られてました。確かに最近はこの持ち方頻繁に見かけますね」「これ底が平らな容器だと熱いからこうしちゃうのよね」「自分の子もやってました。後で知ったのですが、指の力がないとお椀を落とさないようにこの持ち方になってしまうようです」「直るまで諦めずに怒ってくれた父親に大人になってから心から感謝した」「手の大きさの問題で正しい持ち方ができないっぽい子が多くて…声をかけるべきか、正直悩んでます…」など、悩める保育者や保護者、実際にその持ち方をしていたという人の声も寄せられています。 投稿者は、保育士歴12年のディーせんせい(@D0207hoikuroom)こと、檀陽一郎さん。3年ほど前からSNSでの発信を始め、現在は保育者や子どもに携わる人の交流の場として、月に1度オンラインで勉強会を開催する「保育コミュニティLazo」を運営しています。 「保育者として現場に立つ中で、今回の投稿にある器の持ち方をはじめ、イスの座り方や姿勢など、食事中の所作が目につくようになりました。私としては、日本人としての伝統や所作の美しさは守っていきたい、引き継いでいきたいと思い、子どもたちにも持ち方や座り方は都度伝えています」と投稿者。子どもの親や周囲の人間は礼儀についてどのように教えているのか、もしかして礼儀を指導する考え方はもう古いのかと気になり、今回投稿で意見を募ってみたといいます。 一連の反響については「自分と同じような感覚を持っている人が大多数だったので安心した部分もありますが、一部で乖離(かいり)もあり、現場の中で発信していく必要があるなと思いました。反応をくださった方は保育者さんが多かったので、保護者に対しても日本の文化や伝統、所作の美しさを伝えていきたいとあらためて思いました」と話しています。
Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム