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江守正多

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東京大学 未来ビジョン研究センター 教授

報告

見解気候変動対策の強化を求める企業が日本にも増えてきました。近年は、企業が自社の排出量を削減し気候変動リスクをうまく管理できなければ、投資家や金融から評価されないため、彼らにとって日本政府の気候変動政策の強化は自社の企業価値に関わる死活問題です。同時に、これらの企業の経営者の中には、気候変動が人間社会にもたらしつつある危機の深刻さを理解し、真正面から向き合う人たちも増えていると想像します。 政府案で軸とされる2035年60%削減よりも野心的な、74-76%削減できるシナリオが現実的な前提で描けることを、地球環境戦略研究機関(IGES)が試算し、12/3の政府の審議会でも発表しています。 トランプ政権が始まると、米国からのプレッシャーが4年間無くなりますが、気候変動対策にはエネルギーインフラなどの長期的な投資が必要です。今手を抜いてしまうと、4年後に大きなツケとなって返ってくるでしょう。

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  • 室橋祐貴

    日本若者協議会代表理事

    解説政府は2035年度60%削減(2013年度比)が1.5度目標に整合していると主張していますが、60%…続きを読む

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    気象予報士、防災士、脱炭素キャスター

    見解日本の2035年の目標は、同じ傾きで先に伸ばしただけですので、数字こそ大きく見えるものの特段目標を引…続きを読む

コメンテータープロフィール

江守正多

東京大学 未来ビジョン研究センター 教授

1970年神奈川県生まれ。1997年に東京大学大学院 総合文化研究科 博士課程にて博士号(学術)を取得後、国立環境研究所に勤務。同研究所 気候変動リスク評価研究室長、地球システム領域 副領域長等を経て、2022年より現職。東京大学大学院 総合文化研究科で学生指導も行う。専門は気候科学。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次および第6次評価報告書 主執筆者。著書に「異常気象と人類の選択」「地球温暖化の予測は『正しい』か?」、共著書に「地球温暖化はどれくらい『怖い』か?」、監修に「最近、地球が暑くてクマってます。」等。記事やコメントは個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません。

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江守正多の最近のコメント

  • 江守正多

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    見解日本は2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロを目標としています。2013年の排出量から2050年…続きを読む

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  • 江守正多

    東京大学 未来ビジョン研究センター 教授

    補足気候変動が進むと基本的にすべての国が深刻な被害を受け、それを回避するにはすべての国が協力して脱炭素化…続きを読む

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