実際に映像を見ました。批判を恐れずに言うと、ファームとは言えプロ野球の場でこのようなことをしていいのかと首をかしげざるをえません。乙坂選手が真剣に打席で投球に対していたとはとても思えませんでした。あのような場を用意することは、斎藤投手、打席に立つ乙坂選手双方に対して失礼だと思います。 歴史を振り返ってみると、「昭和の怪物」江川卓投手は肩の故障を理由に1987年限りで引退しました。彼は翌年開場の日本初のドーム球場、東京ドームのマウンドに立つことを目標のひとつにしていました。球場開きとなる対阪神とのオープン戦を引退試合にするプランもありましたが、「もはやプロの球を放れない」と試合での登板を江川氏は辞退。ユニフォームを着てのライバル、掛布選手へのセレモニー登板にとどめました。 昨今の公式戦での引退試合、とくに引退する投手相手の打者の「お約束三振」からプロ野球のプライドをどうしても感じられません。
コメンテータープロフィール
これまで、190か国を訪ね歩き、23か国で野球を取材した経験をもつ。各国リーグともパイプをもち、これまで、多数の媒体に執筆のほか、NPB侍ジャパンのウェブサイト記事も担当した。プロからメジャーリーグ、独立リーグ、社会人野球まで広くカバー。数多くの雑誌に寄稿の他、NTT東日本の20周年記念誌作成に際しては野球について担当するなどしている。2011、2012アジアシリーズ、2018アジア大会、2019侍ジャパンシリーズ、2020、24カリビアンシリーズなど国際大会取材経験も豊富。2024年春の侍ジャパンシリーズではヨーロッパ代表のリエゾンスタッフとして帯同した。
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