読めない勝者、大接戦の米大統領選 統計分析や賭けサイトも予想割れ
米大統領選は、民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領が大接戦のまま、5日の投票日を迎えた。統計分析や選挙予測、賭けの動向も真っ二つに割れており、米国民は「どちらが勝つか」を注視している。 【写真まとめ】トランプ氏とハリス氏、最終日の集会の様子 選挙予測に定評のある統計分析サイト「ファイブ・サーティー・エイト(538)」は現地時間5日朝の時点で、条件を変えた1000パターンの予測で勝者は「ハリス氏503回、トランプ氏495回」になるとした。人口などに応じて全米50州と首都ワシントンに割り当てられた選挙人の獲得数が同数で並ぶパターンも二つあった。この場合は連邦下院で大統領を選出する。 538は各種世論調査の結果やそれぞれの調査の正確性、過去の傾向、経済指標などを加味して、独自に選挙動向を分析している。今回の大統領選の対決の構図が8月に固まって以来、ハリス氏がやや優勢だったが、10月下旬にトランプ氏が逆転。最後は、ほぼ互角になった。 538を創設した統計学者のネイト・シルバー氏による8万回の独自シミュレーションでも、勝者は「ハリス氏4万12回、トランプ氏3万9718回」と割れた。残りは選挙人獲得数が同数だった。シルバー氏は「どちらに賭けるかと聞かれれば、私は賭けないだろう」と述べ、明確な優劣はないと結論づけた。 別の選挙予測サイト「ディシジョン・デスクHQ」は、トランプ氏が勝利する確率は54%、ハリス氏は46%と判定している。世論調査の結果に経済指標、候補の資金力などを加味して予想。10月下旬にトランプ氏の勝利確率がハリス氏を上回ったのは538と同様だが、最後までトランプ氏がかろうじて優勢を維持していると判定した。 大統領選は賭けの対象にもなっている。選挙結果に賭ける予測市場サイト「カルシ」の5日午前7時(日本時間5日午後9時)時点のデータでは、トランプ氏57・2%、ハリス氏42・8%だった。選挙戦最後の1週間で、トランプ氏のリードが一気になくなり、3日には僅差になったが、最後に再びトランプ氏に賭ける人が増えた。 一方、1984年以降の10回の大統領選のうち9回で勝者を正しく予測したアメリカン大の歴史学者、アラン・リクトマン教授は今回、ハリス氏の勝利を予想している。世論調査ではなく、政治や経済、外交、スキャンダルの有無など13の指標を基にしている。【ワシントン秋山信一】