見解性能の欠けるライフジャケット問題も存在しますが、今回の事故では、増水した事によって、貯砂堰堤の直下に人を引きずりこんだ後に循環し続ける流れができ、浮力が強いライフジャケットでも浮かびあがれなかった事が原因である可能性が高いと考えられます。堰堤の落差(段差)が高いと一般の人でも警戒しやすいですが、低い場合の方が「ローヘッドダム」として、引きずり込む流れのバックウォッシュや循環流が起こりやすく、カヤッカーや水難救助従事者に恐れられています。ローヘッドダムは、水位の上昇などで偶発的にも発生します。そのため、堰堤のような人工物のある場所は、ライフジャケットを着けていても近づいてはいけない場所としてリスク回避します。今年8月、占冠のダム湖の水難死亡事故も、堰堤の穴が水位上昇で見えにくく引きずり込まれたものでした。流れが穏やかに見えても堰堤や人工物に近づかないというリスク回避が広がればと思います
コメンテータープロフィール
FM西東京防災番組パーソナリティ 兵庫県立大学大学院 減災復興政策研究科 博士課程 女性防災ネットワーク東京呼びかけ人 阪神淡路大震災の経験とアウトドアスキルをいかした日常にも役立つ防災テクを、2003年から発信。子育てバックは、そのまま防災バックに使えるなど赤ちゃん防災の先駆けとなるアイデアを提唱。技だけなく仕組みと知恵が得られると好評で、口コミで講演が全国に広がる。企業広報誌、子育て雑誌などで防災記事を連載中。ゆるくて楽しい防災が好み。
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