なぜ、「ライフジャケット着用」なのに“溺死” なのか?【 静岡 50代夫婦 SUP事故 】2人とも 通常の ベスト型を着用していた、性能面に問題はなかったのか?【接岨湖(せっそこ)】
SUPで遊んでいた2名が溺死
10月13日(日)午前11時15分ごろ、静岡県川根本町の接岨湖(せっそこ)で、「人が溺れている」と、近くにいた人から通報があった。 溺れていたのは、SUPをしていた50代の夫婦。 消防ヘリに救助されたが、2人とも搬送先の病院で死亡が確認された。 死亡したのは、愛知県知立市に住む「57歳の男性」と「58歳の妻」。夫婦2人と知人1人の3人で遊びに来ていて、朝からSUPを楽しんでいたという。 SUPに乗っていた57歳の男性がバランスを崩して落水したため、妻が助けようとしたが、そのまま2人とも溺れてしまったとみられている。 「2人が、水面に浮かんだり沈んだりしていたところを、消防のヘリで救助された」と、近くにいた人が語っている。 2人はSUPの経験者で、ライフジャケットを着用していたという。 事故の原因については、現在、警察が調査中である。
溺れた2人は、「ベストタイプ」のライフジャケットを着用していた
事故に遭った2人が、どのようなタイプのライフジャケットを着用していたのかを、管轄の警察と消防に確認したところ、落水してから膨らむ“膨張式”ではなく、着用する“ベストタイプ”であったことが分かっている。 ライフジャケットは、体全部が浮くわけではない。文字通り、生命維持に必要な呼吸を確保する、“首から上”が沈まないだけの浮力だ。 しかし、その機能が保障されているのは、「国土交通省型式承認品(桜マーク)」が付いたもの。 水上バイクのみ、「日本小型船舶検査機構(JCI)」の認可を受けたライフジャケットがそれにあたる。 参考までに「認証マーク」付きのライフジャケットは、「水中で浮き上がる力(浮力)が7.5kg以上ある」こと、「顔を水面上に維持できる」ことなど、いくつもの厳しい検査に合格しなければならない。 ライフジャケットは、ファッションブランドや量販店でも売られているが、“桜マーク”や“JCI”の認可を受けていない製品は、「浮力」に対する担保義務はない。 極端な話、「浮くかどうかすら 分からないものに “命” を預けている」のだ。
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