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安藤眞

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自動車ジャーナリスト(元開発者)

報告

解説熱効率と振動特性の問題ですね。単シリンダー容積が小さくなるほど、表面積と容積の比率(S/V比)が大きくなります。容積に対する表面積が大きくなるほど、そこから逃げる熱が多くなって(冷却損失)、熱効率が悪化します。だから単シリンダーあたりの容積は大きいほど効率は高いのですが、ガソリンエンジンはボア径が大きくなるほどノッキングタフネスは下がりますから、理想的な単気筒当たり容積は450〜500ccになります。660ccエンジンならば、単気筒か2気筒ということになりますが、燃焼間隔が開いてトルク変動が大きくなりますし、機械的な振動バランスも悪くなります。これらを勘案すると、選択肢は3気筒、ということに落ち着きます。

コメンテータープロフィール

安藤眞

自動車ジャーナリスト(元開発者)

国内自動車メーカー設計部門に約5年勤務。SUVや小型トラックのサスペンション設計、英国スポーツカーメーカーとの共同プロジェクト、電子制御式油空圧サスペンションなどを担当する。退職後に地域タブロイド新聞でジャーナリスト活動を開始。同時に自動車雑誌にも寄稿を始め、難しい技術を分かりやすく解説した記事が好評となる。環境技術には1990年代から取り組み、ディーゼルNOx法改正を審議した第151通常国会では参考人として意見陳述を行ったほか、ドイツ車メーカーの環境報告書日本語版の翻訳査読なども担当。道路行政に関しても、国会に質問主意書を提出するなど、積極的に関わっている。自動車技術会会員。

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