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60代、70代のシニア層も闇バイトに応募している実態 あなたの親は大丈夫? #専門家のまとめ

多田文明詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト
(写真:イメージマート)

闇バイトへの若者に向けた注意喚起はだいぶ社会全体に行き渡ってきているように思います。今後気をつけたいのが、60代、70代のシニア層です。

闇バイト募集をするリクルーターから、若い奴は指示を守らない者がいるのに対して、社会経験のある年齢の高い人の方が「言われた通りにやるので、使いやすい」と話すのを聞いたことがありますが、昨年から今年に入って、シニアが闇バイトで犯罪行為に手を染めている状況もみえてきており、注意が必要です。

ココがポイント

逮捕されたのは、奈良県に住む無職、平岩勇二容疑者(63)(中略)現金500万円のバッグを女性の自宅前に置かせ、だまし取った疑い
出典:チューリップテレビ 2024/11/5(火)

警察官をかたり徳島市内の80代の男性から1000万円をだまし取ったとして和歌山県警察本部は(中略)76歳の男を再逮捕
出典:wbs和歌山放送 2024/10/17 (木)

宇都宮市の無職の男(84)(詐欺罪で起訴)を詐欺などの容疑で逮捕、送検(中略)特殊詐欺の「受け子」では、最高齢
出典:読売新聞社 2023/2/8(水)

葛西康二容疑者(78)ら68~78歳の男女4人を逮捕(中略)報酬として受け取り、残りを仮想通貨に換えて組織に送っていた
出典:産經新聞 2024/3/5(火)

エキスパートの補足・見解

シニア層が闇バイトに手を染めるケースが出てきているのは、中高年の方でもスマホを使いSNSを利用する機会が増えてきて、募集を目にする機会が増えたためだと考えられます。実際に、闇バイト募集には、年齢を問わないといったものもあります。年金やアルバイトだけでは生活が立ち行かなくなった人たちが、お金に困り、犯罪意識が希薄なまま簡単に稼げる仕事情報に連絡を取ってしまっていることがうかがえます。

シニア層の場合、詐欺やマネーリンダリングに手を貸す形になる、自らの口座を売買したり、貸すことに手を出す傾向もあるように思います。

「副業案内」「ホワイト案件」というアカウントから連絡をとった方は、テレグラムで連絡を取ると60歳はゆうに過ぎている男性から「法人の会社登記をして銀行口座の開設をして貸してほしい。報酬が手に入る」と持ち掛けられています。落ち着いた見た目から「信頼をおけそうな方だった」と話しています。

過去には一般の求人サイトから誘われた68歳の男性が逮捕・起訴されています。応募の段階では犯罪とは思っておらず、妻や子を養うために、ずるずると犯行をしてしまったと法廷のなかで述べています。

みなさんの親御さんの世代にも、闇バイトの魔の手が迫っています。

詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト

2001年~02年まで、誘われたらついていく雑誌連載を担当。潜入は100ヶ所以上。20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通。「ついていったらこうなった」(彩図社)は番組化し、特番で第8弾まで放送。多数のテレビ番組に出演している。 旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題だけでなく世の中で行われる騙しの手口をいち早く見抜き、被害防止のための講演、講座も行う。2017年~2018年に消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員を務める。近著に『信じる者は、ダマされる。~元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』(清談社Publico)

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