3時間飲み放題に90分遅れて「まだ1時間半しか飲んでませんけど?」と延長要求 店主のある対応に大反響
飲食店の飲み放題プラン
居酒屋で飲み放題付きプランを利用したことはありますか。
飲み放題プランは、お酒をいくら飲んでも定額で、明朗会計になっているのがよいところです。飲み放題ではない場合、割り勘するとお酒を飲めない人は損をしてしまいますが、飲み放題であればその不公平感もだいぶ少なくなります。
ワンオペで運営している福岡にある居酒屋の店主が投稿した、飲み放題に関するThreadsのポストが話題をさらいました。
店主による他の投稿には、終了時間が22時とあったので、開始時間は3時間前の19時となります。
2人の客は、1時間30分も遅れて20時30分に到着。少しサービスして、終了予定時間から20分過ぎた22時20分くらいに声を掛けたところ、「遅れた人は1時間30分しか飲んでいない」と返されます。この後に予約が入っていたこともあり、延長することは考えられません。「突っぱねる」か「遅れた人はドリンク代半額」かを悩んだ結果、前者を選択して、特別な対応はせず、退店してもらったといいます。
この投稿には多くの返信が付き、そのほぼ全てが居酒屋に非はなく、対応を称賛するものばかりでした。
契約関係
飲食店と客は契約関係にあります。
飲食店がどのような料理やドリンク、サービスを、どういった条件で、いくらで提供するかを提示し、客が選ぶことで契約が成立します。今回の場合であれば、予約した際に「19時から3時間、8人で飲み放題付きコース」というサービスをある金額で購入する、という契約が成立したことになるのです。
インターネットで予約する際には、細かい条件が記載されていることがほとんどですが、電話であればあまり細かく説明されることはありません。
今回はどちらからの予約かわかりませんが、いずれにせよ、厳密なルールや細かい条件が説明されておらず、共通の認識がなかったので、このような展開になったと考えられます。
飲み放題付きコースの内訳
一般的に、飲み放題付きコースは、コース料理と飲み放題にわかれています。料理は人数分が用意され、基本的に事前に決まっているものです。ドリンクは飲み放題の対象となっているものが事前に決まっていますが、何がどれだけ飲まれるかは、当日にならないとわかりません。
もしもドタキャン(直前キャンセル)やノーショー(無断キャンセル)があった場合には、料理は用意されているので、キャンセルになった人数分を請求されることがあります。ドリンクについては、まだ消費されていないので請求されることは、ほとんどありません。
ただ、飲放題付きコースとして料理と飲み放題がセットになっており、コース分と飲み放題分がそれぞれいくらなのか、はっきりとしないケースには、やや不透明になります。
もしも延長したとすれば
もしも延長の要求に応じて、遅れて参加した人のために、1時間30分延長したとしましょう。すると、遅れた2人は、20時30分から23時30分の利用となって、飲食店は損をしないように思えます。
しかし、19時から20時30分まで、この2人のために席がずっと空けられていたので、飲食店は機会損失していたことになるのです。2人席で1時間30分もあれば、客が入って売上が立てられた可能性があります。
同じグループということで、最初からいた6人も延長してあげることになったら、どうなるでしょうか。延長した1時間30分の6人席分が期間損失することに加えて、さらにドリンクを飲めば、余計なコストもかかってしまうのです。
ルールの明確化
ほとんどの人は、飲み放題で開始時間に遅れてやって来たとしても、時間を延長してもらう権利はないと思うでしょう。
ただ、飲食店と客の間でトラブルが発生するのは、ルールが明確化されておらず、互いに認識のずれが生じてしまうからです。飲食店で何が常識であるかを峻別するかは難しいので、それぞれの飲食店で明確なルールを設けるしかありません。
飲み放題付きコースであれば、他の席の時間制限付きコースと同じように、その席を専有できるのは、あくまでも予約した時間だけです。このようなことを明示していれば、人数が全て揃っていてもいなくても関係ありません。開始時に改めて念を押しておけば、なおよいです。
飲食店はトラブルにつながりそうなことをルール化して伝え、客は少しでも飲食店の立場に想像を巡らせることを願っています。