京都の「早咲きの桜」満喫レポート
京都は関西でトップを切って3月16日に開花宣言が出された。観測史上最速となったわけだが、今週末にまずは「早咲きのしだれ桜」が各地で満開を迎えた。今回は1度にたくさんの早咲きの桜を楽しめるエリアとその歩き方をご紹介。
まずは京阪電車の出町柳駅からスタート。加茂大橋を渡ると、西詰の南側に1本の大きなしだれ桜を見下ろすことができる。ぜひ鴨川堤防に降りて近くで見てみたい。
その後は橋に戻って北側に渡り、鴨川沿いを歩くと右手には鴨川と高野川に挟まれたデルタ地帯が見え、レンギョウやユキヤナギも美しい。鴨川沿いのこれらの花は、東山が借景となり、美しさが一段と引き立つ。
程なく左手に妙音弁財天が出てくる。この小さな境内の奥にある六角堂とユキヤナギのコントラストが美しいので立ち寄りたい。こちらは伏見宮家の鎮守社であった歴史を持つ。
河原町通を横切って賑わう出町柳商店街を抜けると寺町通へ。こちらを北へ向かうと右手には日蓮宗の本山である本満寺が見えてくる。こちらの山門を潜って左側にある1本のしだれ桜は、かつては隠れ桜であったが今や大人気の桜に。バランスの取れた見事な枝振りは、円山公園の姉妹桜というから納得だ。境内墓地には戦国ファンに人気の武将、山中鹿之助の墓もある。
そこから南へ下って京都御苑へ。今出川御門を潜って右手が五摂家のひとつであった近衛邸跡だ。こちらの近衛桜は京都市民に愛されている名木で、まさに早咲きの桜の王者と呼びたくなるほど気品と風格を放っている。約30本と数もあり、早咲きのしだれ桜を中心に八重桜もあるため、長く観桜を楽しめる。
京都御所内にはこれから満開を迎える左近の桜や、最も遅く咲く車返しの桜もあるので、少し時期をずらして楽しむのもいい。御所を過ぎると右手には桃林があり、こちらも今満開を迎えている。そして左手に出てくるのが、もうひとつの京都御苑の名木である出水のしだれ桜だ。ここでは1本だけの美しさをぜひ堪能して欲しい。
最後は下立売御門を出ると右手前に四親王家のひとつである有栖川宮邸のしだれ桜が烏丸通に覆い被さるかの如く枝を広げており、歩道を歩くとまさに桜の屋根の下に入ることができる。こちらの最寄り駅は地下鉄丸太町駅だ。
このように御所周辺を歩くと効率よく早咲きの桜を満喫できる。ソメイヨシノ満開時はどこの桜の名所も人だらけになる京都だが、一足先にまだ混み合っていない早咲きの桜を満喫してはいかがだろうか。今日の雨で多少は散るだろうが、今週いっぱいは楽しめるはずだ。