【相模原市】リニアが来るJR橋本駅はどう変わる?「リニア中央新幹線」新駅工事の最前線へ
はらぺこライターの旅人間です。今回は話題のリニア中央新幹線について。
現在、品川・名古屋間の開業を目指し建設が進められているリニア中央新幹線、その工事の最前線である神奈川県相模原市で開催された見学ツアーに行ってきました。
その体験レポを紹介しましょう。
ここは相模原市にあるJR橋本駅南口からスグの場所。かつてここには県立高校があり、現在は神奈川県駅(仮称)の工事が進められています。
参加したのは「さがみはらSDGsまなべるトラベル」のツアーです。
尚、相模原市はこのツアーに限らず、SDGsに関する様々な取組を行っているとのこと。気になる方は相模原市公式サイトをチェックしてみて下さい。
⇒相模原市公式サイト「SDGs one by one」(外部リンク)
神奈川県駅(仮称)の工事現場へ
さて、神奈川県駅(仮称)の工事現場に到着すると…
リニア中央新幹線に関する説明から始まり、その魅力と必要性、また神奈川県駅(仮称)の工事の様子など教えてくれます。
リニア中央新幹線は、将来的に大阪まで結ばれ、神奈川県駅(仮称)から品川まで約10分、名古屋までは約60分、その速さはなんと時速500km/hだとか。
ちなみに、東海道新幹線の最高速度は285km/h、考えれば考えるほどスゴイですね。
そして現在工事中の神奈川県駅(仮称)は、延長約650m、最大幅約50m、深さ約30mの大きな地下構造物となり、ホームは2面、路線4線となるという。
つまり、リニア中央新幹線は地下駅になります。
相模原市では地下を走るリニア中央新幹線、気になるのは、どの辺りで地上に出るかという点ですね。それは相模川の小倉橋、道志川の橋梁、また関東車両基地となりそうです。
ただ、防音対策の関係もあり、現段階では地上から見られるか否かは未確定とか…。
リニア駅工事の見所ポイントは?
工事の様子に関しては、現在は掘削作業が行われています。掘削が終われば、次は下から駅の構造物を作られて行く流れとなります。
尚、この掘削作業に関しては「都市部での一般的な地下駅の工事方法」と「のり面掘削」の大きく2つの方法で工事が行われています。
実はこれがレアな光景で、注目ポイントの一つです。
「都市部での一般的な地下駅の工事方法」は、周囲の建物に影響を与えないように、地上から地下に向かって壁をつくり、壁を支えながら掘りすすめる工事方法のこと。
この上の画像では右奥の赤茶色でジャングルジムのようになっている部分、壁が内側に倒れて来ないように支えが沢山あるのが分かります。
一方、「のり面掘削」に関しては、地質や地下水の低さ、そして工事現場の広さを活用した少し珍しい工事方法です。
この地域(JR橋本駅周辺)では関東ローム層(火山灰で構成されている地層群)が地層から地下約15m積もり、ローム層は常に地下水よりも高く、崩れにくいため、駅工事の一部では地上からローム層を斜めに掘り進める工法がとられていると言う。
土が崩れないように、上から斜めに土を掘ることを「のり面掘削」といいます。
上の画層を見ると、その斜め具合がよく分かりますね。
また、「のり面掘削」は「都市部での一般的な地下駅の工事方法」と比較すると、作業空間に違いがあることがハッキリと分かります。
これほど大規模な工事で、しかも都市部で、このように斜めに掘り進められるのは本当に珍しく、掘削作業現場において、最大の見所の一つと言えるでしょう。
尚、現段階では17mほど掘削が進んでいるとのこと。
神奈川県駅(仮称)の深さは約30m、まだ半分くらいですが、既に25mほど掘削が進んでいる所もあるようです。
それでは、リニア駅の工事最前線へ!
では、工事の最前線に向かいます。
なんて規模の大きさ、スゴイ迫力です!
ちなみに、この工事現場に大量に並ぶ黒い袋の中身は ”土” です。
この広大な現場の特性を活かし、掘削した土を現場に ”置ける” という点も注目したいトコロ。これはSDGsの側面でも大きな意味があります。
例えば、掘り起こした土を現場に置けると言うのは、埋め戻しの際、土を運ぶダンプトラックの台数を大幅に減らすことにつながります。その結果、排気ガスなどCO2の削減にも大きく貢献します。
また、埋め戻しに使用する土を買わなくて良い点も経済的で、ダンプトラックの削減は交通渋滞の軽減にもつながりますね。
このような目線で改めて見ると、JR橋本駅の近くに建設されているリニア中央新幹線の神奈川県駅(仮称)は理想的な環境で進んでいると言って良いでしょう。
ところで、この橋のようなモノは?
実はこの大きな構造物は、駅の一部ではなく工事用に作られたモノ。機材や荷物を下ろす時に活用するためのモノで将来的には撤去されるそうです。
さぁ、地下17mの地点に到着しました。
近くで現場をみると、スケールの大きさを改めて感じます。
工事が進み、将来的にココに駅が出来て、リニア中央新幹線が走る…。その光景は想像も出来ないほど斬新で近未来的になっているのではないでしょうか。
関東ローム層をリアルに体験!
そんなリニア中央新幹線の工事現場、まさに今しか見られない景色だと思うと、なんだか特別感でいっぱいになります。
工事現場に気になるモノが…
そう、これは関東ローム層の土と礫です。
触ってみると、地下17mの土は水分を含んで粘土のよう。記念に少し持って帰っても良いと言われ、喜んで袋に詰め込んでいる子供達の姿も…。
リニア中央新幹線が開通し、神奈川県駅(仮称)が完成した頃、この土を持っていると自慢できるかもしれませんね。
側面にある乾いた関東ローム層は石のようにカチカチです。
工事現場を見学し、地上に戻って来ると、改めて黒い袋が目に入ります。この袋に入った土が地中に戻る頃、きっと駅は完成間近になるのでしょう。
まだまだ先の話ですが、想像するだけでワクワクしてきます。
リニア中央新幹線が必要な理由
いつか必ず来ると言われている巨大地震、このリニア中央新幹線は、その備えとしても重要な意味があると考えられています。
現在の東海道新幹線は、南海トラフ巨大地震が起きた場合、大きな揺れが想定されているエリアを走っています。万が一に備え、東海道新幹線とリニア中央新幹線の2本の新幹線により、東京と大阪をつなぐ必要があります。
そんな必要性も重要ですが、時速500kmで走るリニア中央新幹線、やっぱり夢があって未来が待ち遠しく感じてなりません。
見上げると、そこにはJR橋本駅の北口の「ミウィ橋本」が見えます。この8Fから工事の様子が少し見えます。興味のある方は一度、足を運んでみては如何でしょうか。
神奈川県駅(仮称)
場所:神奈川県相模原市緑区橋本2丁目
リニア中央新幹線の建設-相模原市(外部リンク)
地図(外部リンク)
取材協力:JR東海、相模原市総合メディア戦略推進課
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