ひと月で台風3個と東京1.5年分の雨が降ったベトナム 次は「18号」上陸へ
今夏は台風の発生が少ない、とさんざん言われてきましたが、今月は台風ラッシュとなっています。
10月としては7年ぶりとなる5つの台風が発生し、そのうち3個が東南アジアを直撃しています。
特に被害を受けているのがベトナムで、ひと月で3個の台風が上陸・接近しました。古都フエでは、10月1日から26日までに、年間降水量の85%にあたる2,456ミリの雨が降りました。これは東京の1.5年分の降水量に匹敵する記録的な大雨です。
ベトナムでは洪水や土砂災害などで130人以上が死亡、下の動画のようにユネスコの世界遺産に登録されているホイアンも洪水で湖と化すなど、甚大な被害が広がっています。
台風18号上陸へ
ベトナムにとって、今もっとも必要ないものが雨でしょうが、残念ながら止む見込みはなさそうです。台風18号は、現地時間28日(水)朝にもベトナム中部に上陸する見込みです。予想降水量は最大700ミリですから、ひと月で年間降水量に達してしまうところも出てくるかもしれません。
上陸時に予想される勢力は、台風のランクでは上から3番目の「強い」クラスです。これほどの強さでベトナムに上陸する台風は非常に珍しく、今月上陸した15号と16号、さらに接近した17号と比べてもひと際強い勢力です。上陸時の最大瞬間風速は60m/sと、鉄骨構造物ですら変形させるほどの強風となるおそれがあります。
台風18号が上陸すると、ベトナムには今月3個目の上陸となります。
19号も続くおそれ
恐ろしいことに、上陸は18号だけにとどまらない可能性があります。どうやら現在フィリピンの東部に発生している熱帯低気圧が台風19号となって、フィリピン上陸後、来週あたりにベトナムに接近するおそれが出ているのです。もし18号も19号も上陸すれば、今年ベトナムへの台風上陸は6回となって、例年の倍に達します。
一年で10個台風が上陸した年
反対に、日本は今年一つも台風が上陸しておらず、記録的に静かな台風シーズンを迎えています。
しかしかつて日本も、今年のベトナムのように、台風の通り道となった年がありました。それは2004年のことで、観測史上最多となる10個の台風が上陸しました。案の定この年の「今年の漢字」には『災』が選ばれています。