１月に殿堂入りが決まった２人のうち、ケン・グリフィーJr.はメジャーリーグで22年、マイク・ピアッツァは16年を過ごした。彼らが同じチームでプレーしたことはない。ピアッツァがニューヨーク・メッツにいた1999年のオフ、シアトル・マリナーズとメッツはグリフィーのトレードに合意したが、グリフィーがこれを断った。

もっとも、２人がプレーした期間は重なっている（同時に殿堂入りしたのだから不思議ではないが）。グリフィーはピアッツァよりも３年早くメジャーデビューし、ピアッツァがユニフォームを脱いでからも３年プレーした。彼らのどちらともチームメイトになったことがある選手は約50人いる。また、グリフィーは630本塁打、ピアッツァは427本塁打を放っていて、２人のいずれにも本塁打を打たれた投手は100人を数える。

では、グリフィーとピアッツァの２人と、それぞれチームメイトとして過ごし、なおかつ、対戦して本塁打を打たれたことのあるメジャーリーガーは何人いるのか。調べてみたところ、１人だけいた。2008年に広島東洋カープで投げた右投手、ジム・ブラウワーがそうだ。ライアン・デンプスターも２人に本塁打を打たれ、グリフィーとはシンシナティ・レッズでチームメイトだったが、フロリダ・マーリンズ（現マイアミ・マーリンズ）からメジャーデビューしたのは1998年５月23日。ピアッツァがマーリンズからメッツへ移籍した翌日だった。

ブラウワーは1999～2007年に８チームで354試合に投げ、グリフィーとはレッズ（2001～02年）、ピアッツァとはサンディエゴ・パドレス（2006年）でチームメイトになった。それぞれ、同じ試合に出場したこともある。被本塁打は１本ずつ。グリフィーには2000年７月８日に３ランを浴び、ピアッツァには2004年５月６日にサヨナラ本塁打を打たれた。ピアッツァはこの前日、ジェローム・ウィリアムズからの一打で捕手としての本塁打を352本とし、最多で並んでいたカールトン・フィスクを追い抜いた。ちなみに、タイ記録の351本目は、かつてバッテリーを組んでいた野茂英雄から打った。

ブラウワーは2010年にイタリアで投げた後、翌年からはカンザスシティ・ロイヤルズ傘下のマイナーリーグで、インストラクターと投手コーチを務めてきた。今シーズンはシカゴ・カブス傘下のマイナーリーグで、インストラクターとして指導に当たる。なお、広島時代のブラウワーは21登板して20.1イニングを投げ、失点は９あったものの、被本塁打は１本もなかった。