住宅減税、床面積40平方mからに緩和へ 単身や二人世帯も住宅を買うほうがよい?
パンデミックがきっかけとなって、マイホームやマイカーなどを検討している人も多いようです。自宅はホームグラウンドになるために、どんな人にとっても重要な要素となります。持ち家か賃貸かどちらがよいかはライフスタイルによります。
自営業の人は賃貸で自宅の一部をオフィスにしていれば経費として認められる場合もありますし、相続の際にも家なき子特例が利用できる場合があります。持ち家のない相続人が「小規模宅地等の特例」を使い、亡くなった親などの住んでいた家の土地を相続すると、土地の評価額を8割も下げることができ、大幅な節税につながるのです。
自営業でもなく、近い内に住宅を相続する予定もないという人の場合、住宅を購入するほうがよいのでしょうか。住宅を購入する場合、その物件にずっと住み続けるのであれば賃貸よりも数%安くなる場合もあります。ですが、自由に引っ越しができないなど住宅に縛られることがデメリットとなります。
マイホームを購入する場合の予算立て
マイホームを賢く購入するには十分な自己資金がないとその後の返済が苦しくなる場合もあります。マイホーム購入資金の目安は物件価格の30%程度です。住宅ローンを組む場合、頭金が20%以上あると金利の割引がある金融機関も多いです。また、購入の際には物件価格だけではなく、諸費用(税金、ローン関係費用、各種手数料、引越関係費用等)がかかります。必要な諸費用の目安は新築の場合は5%程度、中古の場合は10%程度です。頭金と諸費用と合わせて物件価格の30%程度の自己資金があると安心なのです。例えば、4000万円の住宅を購入する場合、自己資金は1200万円。その内訳は、頭金に800万円、諸費用と余裕資金に400万円考えておくと安心です。
できれば住宅ローンの返済額は世帯の手取り月収の25%以内に留めるようにしましょう。育休等で長期の休暇を予定している場合は片方の収入だけでも返済できる予算立てをするとよいでしょう。
例えば、世帯の手取り月収40万円の場合なら10万円までです。ローン以外にも固定資産税・管理費・修繕費の支払いもあるため、住居費全体でどんなに多くても手取り月収の30%以内をめざしましょう。
なぜ、ローン返済額を抑えないとならないのかというと、生活費の支払いをし、子供の教育費、老後資金などを貯めながら住宅ローンの返済をしていかないとならないからです。毎月10万円のローン返済があると手取りが30万円になるということです。それでも生活ができるのかよく計算をした上で余裕のある予算立てをしましょう。賃貸ですと、収入の変化などから引っ越しを検討することができますが、住宅を購入する場合はしばられることになります。
下記サイトで返済シミュレーションをすることもできます。
親や祖父母から贈与を受ける場合
貯金が足りないという場合は贈与などを活用させるのも手です。令和3年12月31日まで『住宅取得等資金の贈与税の非課税』が利用でき、父母や祖父母などから、自分が住むための住宅の取得資金(増改築含む)の贈与を受けても、そのお金には贈与税がかからず非課税となります。非課税となる金額の上限は契約の締結日や省エネ性によって変わり、令和3年3月31日までの締結で1000万円(省エネ等住宅は1500万円)まで、令和3年4月1日から12月31日までの締結で700万円(省エネ等住宅は1200万円)です。
住宅ローン控除を活用
また住宅ローン控除を活用することもできます。住宅ローン減税を通常より3年長い13年間受けられる特例措置に関しては、新型コロナ感染拡大を受けた負担軽減策として、原則20年末までの入居としている適用期限を2年延長する方向です。また、住宅減税の緩和に関して報道されていますが、現在の50平方メートル以上から40平方メートル以上とする方針を政府が出しています。これによって夫婦のみや単身世帯なども小ぶりの住宅を購入する際に減税が受けられることになりそうです。
結婚、子供の誕生、二人目の誕生などによってライフプランが変わりやすい単身、夫婦のみ世帯にとって住宅購入はリスクにもなります。しかし、子供が独立をしてライフプランが固まったシニア世代にはよいかもしれません。住宅ローン減税の緩和は朗報ではあるものの購入する場合、広告費で割高な新築を避け、できるだけ駅近などでいざとなったら貸したり売ったりできる物件を選ぶことも考えられます。