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ソフトバンク甲斐野が手術後初のシート打撃で152キロ。月内にも実戦復帰か

田尻耕太郎スポーツライター
シート打撃に登板したソフトバンク・甲斐野央(筆者撮影)

 ソフトバンクの甲斐野央投手が9日、HAWKSベースボールパーク筑後内の筑後第二球場でシート打撃に登板。打者6人を相手に投げて、最速152キロをマークした。

「先週の日曜日にバッター相手には投げていましたが、その時は室内での打撃投手だった。今日は自分にとって久しぶりの実戦形式だったので、やっぱり気持ちは違いました」と笑顔で汗をぬぐった。

1年目に一軍65試合登板の活躍

 甲斐野は19年シーズンにプロ1年目ながらセットアッパーに定着。65試合に登板して2勝5敗8セーブ26ホールド、防御率4.14の成績を残し、チームの日本一にも大きく貢献した。

 しかし、プロ2年目だった昨年の春季キャンプで右肘痛を発症。一旦は7月のファーム戦に登板を果たしたが、その後再び状態を悪化させて、実戦マウンドはその一度きり。当然一軍登板もなく、オフに入ってからの昨年12月に手術を行っていた。

 今春の宮崎キャンプもずっとリハビリ調整。3月に福岡に戻ってからブルペン入りし、徐々に調整ペースを上げていた。

150キロ前後を連発。剛腕は健在

 自己最速159キロを誇る甲斐野にとって、スピードはやはりバロメーターだ。この日もマウンドに上がるまでは「不安があった」と言いながらも、常時150キロ前後の球速を投げ込んで剛腕健在をアピールした。

「まだ技術面では修正点がある」とシュート回転の多かった球質を反省。それでも、「前回の打撃投手で課題だった」という変化球は、持ち球のスライダー、フォーク、カーブとひと通りを投げて制球面でも確かな手応えを口にしていた。

 斉藤学リハビリ担当コーチによれば、明日以降に状態を確認して順調ならば1週間後をメドに再びシート打撃に登板。それを経て実戦登板に臨むとのプランを明かした。早ければ4月中も見込まれる。

 甲斐野は「昨年のように焦って、同じ失敗を繰り返さないように」と焦る気持ちを抑えるように口にした。ただ、もちろんノンビリするつもりなどない。

「やっぱりあの一軍の中で投げたいです」

 根っからの明るい性格が甲斐野の持ち味。その顔に、久しぶりに心からの笑顔が戻っていた。

【投球結果】

野村 遊ゴロ

舟越 四球

伊藤 空振り三振

(インターバル)

伊藤 右前打

荒木 一直

勝連 右前打

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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