本当は怖いHSPが適応障害にならないために「出来ること」
こんにちは、精神科医しょうです。
適応障害とは、置かれている環境に慣れることができず、心身にさまざまな症状が表れ、社会生活に支障をきたしてしまう病です。
特定のストレスにより、気分の落ち込みや不眠、頭痛などといった症状が表れるため、まずは原因となっているストレス要因から離れ、症状を軽減させることが大切です。
どの病でも、発症しやすい人としにくい人がいますが、適応障害の場合は、ストレスに弱い人や気持ちの切り替えが苦手な人、何ごとも抱え込んでしまう人に発症しやすい傾向があるといえます。
HSPも例外ではなく、その気質から適応障害になってしまう可能性もあります。
では、どのような時に発症してしまうのか?また、発症を防ぐにはどうすれば良いのかについて考えていきたいと思います。
適応障害はどのような時になりやすい?
適応障害の場合は、ストレスとなる状況や出来事がはっきりしているため、きっかけが明確であることがほとんどです。
では、どのような時に発症の可能性が高まるのでしょうか。
順番に見ていきましょう。
・新しい環境に切りかわった時
就職や転職、入学、新学期、結婚、転居…など、人生には節目になる出来事が多くあります。
環境が切りかわった時には、自分が思っている以上に大きなエネルギーを使うため、慣れるまでは疲労困憊してしまうこともありますよね。
「早く適応できなければ…!」とあせってしまうと、適応障害を発症してしまうリスクが高まります。
新しい環境に身を置いた時は、無理をせず家に帰ったら体を休めリラックスするように心がけましょう!
・耐えがたい不幸なことがあった時
身内の不幸や病の宣告などは心身に大きなショックとダメージを与えます。
時間が解決してくれることがほとんどとはいえ、本人にとってはつらい時間が永遠に続いてしまうような感覚に陥り、不眠や食欲不振、抑うつ状態になることもあります。
そのような場合は、周囲の協力も必要となりますが、早めに医療機関を受診しカウンセリングなどを通じて、大きな病につながらないように早期に手を打つことも大切になります。
・仕事によるストレス
職場の環境や業務内容が自分に合っていない場合は、大きなストレスを感じふさぎ込んでしまうことがあるかと思います。
また、長時間労働やハラスメントなどにより体調を崩してしまうケースもあります。
そのような場合には、産業医や保健スタッフ、キャリアコンサルタントが配置されている職場であれば、相談することも一つの選択肢です。
適応障害の症状とは?
適応障害は環境変化やストレスとなる出来事が起こってから1~3カ月以内に発症し、6カ月以内に改善する疾患だと言われています。
では、適応障害を発症するとどのような症状が表れるのでしょうか?
身体的な症状と精神的な症状に分けて解説したいと思います。
【身体的な症状】
・頭痛
・めまい
・動悸
・起床困難
・腹痛
【精神的な症状】
・気分の落ち込み
・神経過敏
・意欲の低下
・焦燥感
また、不安症状が強い場合は感情のコントロールがきかず、突然泣き出したり、周囲に怒りをぶつけたりするなどの症状が表れることがあります。
HSPが適応障害にならないためには?
HSP気質を持つ人は、ストレスの発散が苦手であったり、完璧な状態を求めてしまったり、人から頼まれたことを断れなかったりなど、頑張り過ぎてしまう人が多いのではないでしょうか。
自分に無理を課してしまった結果、病を発症するというケースが多く見受けられることは、本当に残念でなりません。
そこで、病を発症する前にできることを考えてみたいと思います。
もし、慢性的につらい状況に耐えているのであれば、そこから逃れることも一つの手段です。
自分の体は自分で守るしかありません!
では、具体的にどのような対策をとれば良いのか?いくつかあげてみます。
・無理に環境に合わせようとしない
真面目な人ほど、合っていない環境であったとしても、自身の力量不足だと自分を責めて無理矢理、順応しようと頑張ってしまいます。
確かに、ある程度の適応力は社会生活を送る上で大切ですが、何もかも合わせようとすると精神的につらい状態を引き起こしてしまいかねません。
そこで普段から、自身の中で耐えられることと耐えられないことについての「境界線」を持つようにしてみましょう。
・自分と他人の気持ちに区切りをつける
HSPの多くは優しさゆえに、自分よりも他人の気持ちや言動を優先してしまう傾向があります。
また、他人の気持ちになって物事を考える場面が多いため、自分の気持ちをないがしろにしてしまうこともあり、ストレスやフラストレーションは溜まる一方になります。
そうならないためには自分は自分、他人は他人と気持ちの区切りをつけることが必要です。
まとめ
今回は、適応障害についての知見を深める内容をお伝えしました。
今回の内容で取り上げた適応障害になりやすい時期や環境に気を付け、自身の感情や体調を上手くコントロールするようにしていきましょう!
ただし、自分ではどうにもならない場合は、医療機関を受診し適切な治療を受けるようにしてくださいね。
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