連泊&ひとり旅がおすすめ!「湯治が体験できる温泉地」5選
日本には「湯治」という温泉文化がある。温泉地に長期間(1週間以上)滞在して療養することで、農家や漁師が疲れた体を休めるために農閑期などに一定期間滞在するといったことも行われてきた。
近年では本格的な湯治をする人が減り、いわゆる湯治宿も珍しい存在となってしまった。
しかし、ストレスにさらされている現代人こそ「湯治」が必要だろう。1~2週間も温泉地に滞在するのは現実的には難しいかもしれないが、2泊、3泊と連泊して「プチ湯治」体験をしてみてはいかがだろう。明日の仕事をがんばるエネルギーをチャージできるはずだ。
そこで今回は、湯治体験ができる温泉地を5か所紹介したい。
鉄輪温泉(大分県)
「温泉のテーマパーク」ともいえるほど多彩な入浴施設がそろう別府は、街全体が温泉街。特に温泉情緒があるのは湯煙が立ち上る景観が美しい鉄輪温泉。もともと自炊を基本とする木賃宿が多い温泉街で、ひとりでも比較的リーズナブルに滞在できる宿も多い。温泉の蒸気を利用した地獄蒸しで自ら食材を調理するのも楽しいが、スーパーや飲食店もあるので、湯治初心者でも困らない。周囲には共同浴場や日帰り温泉施設などがたくさんあるので、湯めぐりをするのも楽しいだろう。
鳴子温泉郷(宮城県)
鳴子温泉郷は、鳴子を中心に東鳴子、川渡、中山平、鬼首の5つの温泉地で構成される。最もにぎやかなのは鳴子温泉で、湯の街情緒もある一方、東鳴子や川渡は湯治場の素朴な風情が魅力。鳴子温泉郷には湯治宿が数多く健在で、数千円で宿泊できる湯治宿も存在する。連泊して温泉めぐりをするのも一興だ。
大沢温泉(岩手県)
花巻南温泉峡の一角を占める大沢温泉は、2つの個性の異なる建物で構成される一軒宿。なかでも自炊部のある「湯治屋」はリーズナブルな料金(1人泊3200円~)で湯治を体験できるので、一人泊や連泊にも向いている。川に面した混浴露天風呂「大沢の湯」が名物。館内には自炊用の炊事場が備わっているが、食事処や売店もあるので湯治初心者も安心。湯船も複数あるので、敷地内で湯めぐりを楽しめる。また、近くの鉛温泉「藤三旅館」にも湯治部が残る。
草津温泉(群馬県)
日本を代表する人気温泉地で、湧出量でも全国トップクラス。温泉地として「泉質主義宣言」をしているように、源泉の質には絶対的な自信をもっており、ほとんどの施設が源泉かけ流しである。人気観光地の一面もあるので湯治で静かな時間を過ごすには少々にぎやかな環境だが、宿泊施設のバリエーションも日本有数なので、ひとり旅でも自分の予算やニーズに合った宿を見つけやすいのは魅力。民宿などで素泊まりをしながら、食事は外で済ませるという選択肢もある。
肘折温泉(山形県)
山あいに湧く静かな温泉地だが、伝統的な湯治場の文化と景観が今も残る。長期の湯治客が多いのも特徴で、日用品や食料品をそろえた商店もある。早朝、温泉街に朝市が立つのも湯治場ならではの風景だ。湯治文化が残る温泉地なので、自炊や湯治プランを用意している宿や、ひとり客でも対応してくれる宿が多いのは心強い。「プチ湯治」と称して、2泊、3泊と連泊するのもおすすめ。基本的に温泉は源泉掛け流しばかりなので、温泉三昧の旅を楽しみたい。
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