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源泉かけ流しは当たり前!「ひとり旅でも泊まりやすい温泉地」5選(東日本編)

高橋一喜温泉ライター/編集者
写真はイメージ

ひと昔前に比べて、ひとり旅はだいぶ市民権を得たといえる。多くの人が気軽にひとり旅を楽しみ、ソロ客でも宿泊できる宿も確実に増えている。

それでも温泉地によって地域差は存在する。つまり、ひとり客でも泊まりやすい温泉地とそうではない温泉地がある。実際、「ひとりだと居心地が悪い…」「ひとりで泊まれる宿が少なく、料金が高い…」といった経験をした人もいるかもしれない。

ひとり客が泊まりやすい温泉地の特徴は3つ。

・有名観光地ではなく、ひなびた穴場の温泉地

・旅館やホテル、湯治宿、民宿などさまざまなタイプの宿泊施設が混在する

・湯治文化が残る昔ながらの温泉地

そこで、今回はひとり旅でも泊まりやすい温泉地を東日本エリアに絞って5か所紹介したい。

湯宿温泉(群馬県)

新潟との県境の三国峠の手前にある小さな温泉地。歓楽要素は何もなく、共同浴場や湯治宿が並ぶ静かな温泉地で、「寂れている」と受け取る人もいるかもしれないが、「鄙びている」と受け取るほうが正解。熱狂的なファンをもつ漫画家・つげ義春による『ゲンセンカン主人』の舞台となった温泉地でもある。ただただ湯の街の情緒を味わい、温泉につかる…そんな温泉中心のひとり旅におすすめ。ひとり旅歓迎の宿「金田屋」など、ソロ客にもやさしい宿が多い。

沢渡温泉(群馬県)

強酸性の草津温泉と比べて、マイルドな泉質のため「草津の仕上げ湯」と呼ばれる。坂道に小さな旅館が並ぶ沢渡温泉は、観光客でにぎわう草津に比べて地味に映るが、その分、ゆっくりと一人静かな時間を過ごしたい人には向いている。鮮度抜群の「沢渡温泉共同浴場」のほか、浴室が芸術的な美しさを誇る「まるほん旅館」など温泉好きに愛される温泉地。もともと湯治向けの温泉地なので、一人客の利用も多い。

鳴子温泉郷(宮城県)

泉質豊かな温泉地として知られる鳴子温泉郷。その一角を占める川渡温泉は田畑に囲まれたのどかな温泉地で、湯治場の素朴な風情が魅力。散歩をしていると、日本人なら「あぁ、なつかしい」と声が漏れる風景に出合える。観光地として人気の高い鳴子温泉ほど観光客も多くなく、静かなが時間が流れている。リーズナブルな湯治宿も健在で、ひとり旅や湯治の初心者にもおすすめ。うぐいす色の濁り湯も気持ちいい。なお、近くにある東鳴子温泉は川渡とは特徴の異なる源泉が楽しめるだけでなく、落ち着いた湯治場風情でひとりでも心地よい。

湯田川温泉(山形県)

田園地帯に温泉宿と2つの共同浴場が軒を連ねる小さな温泉地。源泉が豊富なことでも知られ、「源泉かけ流し宣言」をしている。もちろん、すべての宿が源泉かけ流し。共同浴場「正面湯」は、小さな湯船に大量の透明湯が絶えず注がれ、オーバーフローしている。鮮度の高さは全国屈指のレベルだ。歓楽的な施設は何ひとつもないが、ひとりで温泉にゆっくりつかる時間こそが贅沢である。なお、作家・藤沢周平ゆかりの温泉地でもあるので、時代小説でも読みながら旅館に缶詰めになるのも楽しい。

栃尾又温泉(新潟県)

3軒の宿が寄り添うように建つ小さな温泉地。3軒とも湯治対応の宿なので、部屋さえ空いていればひとり客でも泊まれる可能性がある。予算などと相談しながら決めるといいだろう。基本的にはどの宿でも、宿泊した人のみが入浴できる共同浴場を利用するのが流儀。約36度の源泉は湯との境界があいまいになる不感温度で、1時間以上平気で入浴していられる。寒い季節でもぬる湯に長くつかっていると、体の芯まで温まる。ただただ静かな時間をひとりで過ごすには最適な場所である。

カルルス温泉(北海道)

北の名湯、登別温泉から車で15分ほどの山あいにひっそりと湯けむりをあげる温泉地。最近の登別温泉は外国人観光客でにぎわっていて、ひとり旅は肩身が狭いが、カルルス温泉は静寂に包まれている。数軒の宿以外には自然に囲まれるばかりだが、ひたすら良質な温泉につかり、おこもりするには最適だ。鈴木旅館のほか、ひとり旅を受け付けてくれる宿もある。

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温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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