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札幌で、道外からの購入者比率が4割に達するマンション。なぜセカンドハウスとして好まれる?

櫻井幸雄住宅評論家
札幌では冬の生活を考えて、便利なマンションがセカンドハウスとしても人気。筆者撮影

 札幌市内で、東京や大阪など北海道以外=道外からの購入者が4割に達する分譲マンションがある。札幌市中央区内で分譲されている地上29階建て地下1階の超高層タワーマンション、「ブランズタワー札幌大通公園」だ。

 北海道・札幌のマンションならば、東京・大阪からの購入者がもともと多いはず、と思うかもしれない。しかし、2020年頃まで、北海道のマンションを買う人は、ほとんどが北海道の人=道民だった。

 札幌中心地のマンションであっても、道外からの購入者は1割いるかどうか。その1割の人も、もともと北海道出身の人か、北海道に住んだことがある人たち……つまり、地縁のある人たちだった。

 北海道に縁もゆかりもない人が札幌のマンションを買うケースは皆無といってよい状況だったのである。

 もちろん、北海道に憧れて移住する人はいた。が、そんな北海道ファンが好むのは、一軒家。草原にたたずむログハウスのような住まいに憧れる人が多く、わざわざ北海道まで行ってマンションに住もうとは思わなかったのである。

 その道外購入者が近年、便利な場所のマンションを好むようになった。

 背景にあるのは、道民(北海道に住む人たち)の間で盛り上がるマンション人気だ。

 近年、北海道では一戸建てよりも、マンションに憧れる人が増えている。理由は、冬の間、雪下ろしや雪かきをしないで済むことや、吹雪くときも買物が楽など、生活しやすいから。厳冬を無理なく乗り越えるには、マンションのほうが圧倒的に有利なのである。

 この発想はセカンドハウスとしてマンションを買う道外の人間にも影響を与えた。「セカンドハウス利用ならば、冬の間、使わなければよい」とも考えられる。が、将来の売却しやすさも考えれば、多くの道民が好む街中のマンションのほうがよいというわけだ。

 北海道で、一戸建てよりもマンションを好む人が明らかに増えてきたのは、2020年あたりから。札幌市内で駅に直結した再開発マンションや、商業施設・地下街に直結した大規模マンションが続々販売されるようになってからだ。

 それら便利なマンションには道民だけでなく、道外からの購入者も注目。2021年に入ると「購入者の2割〜3割が道外在住者」というマンションが出現し始めた。

 加えて、北海道新幹線が札幌駅まで延伸開通(2030年予定)することも、「今が買いどき」と考えるセカンドハウス購入者を増やす要因となった。

 人気を高めるマンションのなかでも、「ブランズタワー札幌大通公園」は道外購入者の比率が高い。

 そこには、納得の理由があった。

セカンドハウスとして好まれる最大の理由は

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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