2014 SUZUKI 日米野球シリーズ 日本プロ野球80周年記念試合
来たる11月11日に甲子園球場で開催される「2014 SUZUKI 日米野球シリーズ 日本プロ野球80周年記念試合」の出場メンバーが21日、発表された。
侍ジャパンとメジャー代表選手による日米野球の前哨戦として、タイガースとジャイアンツの選手が連合チームを作り、メジャー代表選手と試合をするというものだ。
指揮を執るのはタイガースの和田豊監督。発表された出場選手は、タイガースから能見、藤浪、松田、上本、新井良太、大和、ジャイアンツからは西村、阿部、小林、坂本、片岡、村田、亀井の13選手だ。「まだ出揃っていないので、熟考していきたい」と、他のメンバーは追って発表される。
自身もかつて日米野球に出場した経験のある和田監督は会見で、「当時を思い出すとワクワク感がある」と語り、「吸収するとすれば全て。メジャーリーガーはどんな試合でも全力を尽くしてくる。持てる力を全て出し切って、いいゲームをしたい」と健闘を誓った。
会見場に同席したのは能見篤史投手と上本博紀選手だ。2人は当日身に着けるユニフォームを纏って現れた。
一目見てレトロ感漂うユニフォームは、なんと野球殿堂博物館に展示されている80年前のユニフォームを再現したものだ。1934年、ベーブ・ルースらが来日して行われた日米野球で、全日本軍が着たユニフォーム。色は、現物の色が著しく変色し過ぎて実際の色はわからず、生成り色であろうと推測したという。形や材質は現在のものとは随分違い、当時の生地は高級スーツのようで、パンツには裏地があり、上着の袖も長かったとか。そこでレトロな見た目は残しつつ現在の技術を融合させ、動きやすくストレッチのニット生地を使用しているそうだ。またキャップは、写真から想像して製作された。実際に身に着けた能見投手は「普段と比べて分厚いですね」と感想を口にした。
その能見投手、メジャーの試合は「ロッカー(のテレビ)ではついてますけどねぇ」という程度のようだが、「色んな代表選手が来られるので、自分のボールがどこまで通用するか興味がある」と非常に楽しみな様子だ。「まっすぐが速いわけではないので、持ち球として変化球をしっかり投げられるように。極端な話、全球フォークでもいいかなと」。自身の最大の武器の一つであるフォークボールに、メジャーの選手がどんな反応を見せるのか―。我々もワクワクする。
「やるからには負けるわけにはいかない。勝ちにいく」。上本選手は負けん気全開で答えた。その上で「メジャーは世界一。そういう選手のプレーを実際に見たり、試合できるのは楽しみ。できるだけ多くのピッチャーと対戦したい。全員と対戦したい」とやる気も全開だ。
上本選手が特に「プレーを見るのが楽しみ」と注目しているのが、ヒューストン・アストロズのホセ・カルロス・アルトゥーべ選手だ。現役のメジャーリーガーで最も身長が低い(公称167.6cm)アルトゥーべ選手は今季、首位打者、最多安打、盗塁王の3つのタイトルに輝いた二塁手だ。
「テレビで特集を見ました。試合は見たことないけど、興味あります」と上本選手。「体型は近いけど、プレースタイルに結びつくわけじゃない」とは言うものの、彼の獲得したタイトルは上本選手の目指したいところだ。「試合なので出るだけじゃなく、勝たないと。チームに貢献したい」。自身も必死にプレーはするが、盗めるところは盗むつもり。
かつて赤星選手(現解説者)が「キャリーバッグに入れてアメリカに連れて帰りたいよ」とメジャーの監督に言わしめたような積極プレーを、上本選手にも期待したい。