山口県の外郎、しってる?ぷるんともちもち「御堀堂」の外郎はお米の粉ではなくわらび粉使用の柔らか食感
同じ料理に関しても、地域によって認識が異なるもの、思い当たる節はありませんか?例えば先日のお雑煮。お雑煮のお餅といえば、丸か四角か。白味噌か醤油か。どちらも美味しいということには変わりありませんが、郷土の歴史が紡いできた食文化は実に多彩。正義ではなく個性ですね。
実は“外郎”も地域によって違いがあるのですが、それぞれどのような個性があるのかご存知でしょうか。
外郎は小田原や名古屋のお土産屋さんや和菓子屋さんでも広く取り扱われる歴史ある和菓子。上新粉や米粉、餅粉といったうるち米や糯米の粉にお砂糖などを加え蒸しあげたもの。もちもちとした食感を出すため、葛粉や小麦粉を配合するレシピもあります。味わいのバリエーションとして、抹茶や黒糖を一緒に混ぜ合わせて蒸しあげることも。6月にいただく水無月という和菓子ですね。
そして今回ご紹介するのは、一味異なる山口県の外郎。今回は山口県山口市に本店を構える「御堀堂」さんより「抹茶外郎」をご紹介。
山口県の外郎の大きな特徴は、わらび粉を使用するということ。米粉や上新粉ではなく、わらび粉を使用するためぷるんとした水分量の多い食感です。
かつて山口県はわらび粉の名産地として名を馳せ、当時糊の材料となっていたわらび粉が手に入りやすかったことが由来しているのではないかと言われています。お米類は非常に高価なものだったのではないかと推量されるため、そういった背景もあったのではないでしょうか。
軽やかな弾力はあるものの、粘り気は少なく、咀嚼するたびにほろほろとほどけていくような軽さも持ち合わせています。お米の甘味やコクはないので、抹茶の香りや苦味といった大人のうまみ成分がダイレクトに伝わり、香り高く爽やかな後味です。
重厚感ではなく、涼や軽やかな食感を求めている方にはぴったりな和菓子ではないでしょうか。見かけた際には、ぜひ食べ比べてみてくださいね。お気に入りはどちらでしょうか。
<御堀堂・本店>
公式サイト(外部リンク)
山口県山口市駅通り1-5-10
083-9221-248
8時~19時