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ノート(222) なぜ政治家には「タンス預金」という弁解が可能なのか?

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~続・工場編(15)

受刑261/384日目(続)

疑義ある被告人質問

 この日の報道では、陸山会事件の裁判で小沢代議士に対する被告人質問が全て終了したというニュースも大きく報じられていた。小沢代議士の弁解は、秘書らとの共謀を全面的に否認した上で、彼らに経理の実務を任せており、政治資金収支報告書すら見ていなかったというものだった。

 陸山会による土地購入の原資とされる4億円についても、水谷建設など業者からの裏金ではなく、亡き元建設相の父親から譲り受けていったん銀行の普通預金口座に預けたあと、1998年ころにおろして自宅で保管していた現金や、講演活動などで得た報酬をプールしていたものなど、自らの「タンス預金」だったと説明した。

 ただ、こうした「タンス預金」の弁解には、次のような疑問点があった。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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